集客や販促企画よりも大切なマーケティング活動ってなに?とあるEC事業者の社長さんと話していて「はっ!」としたことがありました。
売れるものを作ることこそがマーケティング
その社長さんとECついての意見交換をしていたのですが、どうも話がかみ合わない。私はデータ活用の話とか集客の話とか販促企画の話をしていたんですが、その社長さんは若干首をかしげていたんですね。「石田さん。石田さんの言っているマーケティングってなんのことですか?」って。別に悪気があるわけでもなく、本気で言っているのです。そして「僕は勝手に売れるものを作ることがマーケティングかと思っていました」と。
そのときに「はっ!」としたんですよね。そうだったと。データ活用や集客や販促企画はマーケティング活動において重要なポイントではある。ただ、それ以前に最重要なのはあくまで商品づくりだと。「勝手に売れる商品」をつくれたら、集客とか販促企画とかいらないんですよね。ECのマーケティングの「当然」として話していた頭を殴られたような感覚でした。
マーケティング活動を「はるかに楽にする」方法
EC事業者が本来徹底的にこだわらなくてはいけないところは「商品づくり」です。ECMJのようなソリューション会社にとっては「サービスづくり」です。本当であればもっともっと知恵をふり絞って力を使わなければいけないところ。しかし実際は商品づくりはそこそこ、場合によっては他でも販売している商品を同じように売っている。だからデータ活用や集客や販促企画を「頑張らざるをえない」わけです。この社長さんにとっては「頑張りどころ」が間違っているように映るんでしょうね。
もちろん母体のビジネスや営んできた商売から、仕入れ商品のECになる場合もある。ゼロからのオリジナル商品の企画ができない場合もある。それは事業者さんの事情やポジション、スタンスがさまざまあって然るべきです。ただ「商品づくり、サービスづくり」が成功すれば、その後のマーケティング活動が「はるかに楽になる」ということを常に頭に入れておいた方がいいですよね。私も「その後のマーケティング活動の努力」を当たり前と考えてしまっていたわけです。
「値付け」は値段を決める人の気持ちで変えられる
ここは完全に意見が一致したところですが、やはりECは「利益率」です。利益率の重要性はECならず、どのビジネスでも高いものだと思います。利益率の高さこそ商品やサービスの付加価値のあらわれです。ビジネスを積み上げていくための土台です。急な市場環境の変化に対応できる余裕です。利益率が高いことでマーケティングの打ち手の幅を広げることができます。
他のショップと同じものを売っているならば、高い利益率を設定することができません。自社オリジナルの商品や付加価値で高い利益率を設定できるようになります。また、「値付け」は実は値段を決める人間の気持ち次第で変えられるものです。原価や仕入れ値から設定するものでは本来ないんですね。商品やサービスの「価値」で値段は決まる。「ウチの商品はこんなものだよね」という殻をやぶって、自信のある商品は一度「高い利益率」で勝負してみるのも良いのではないかと思います。
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