マーケティングチームを組織していくために、そしてマーケティングの運用サイクルをつくるために、チームメンバーに成功体験をいかにして積み重ねてもらうかが大事です。
早い段階で成功体験を積むことができればモチベーション高く運用サイクルを回していくことができます。運用サイクルが通常業務として習慣化するのも早いでしょう。逆に成功体験がなかなか積めない状況が続いたならば「これは続ける意味があるのか」と疑心暗鬼になってしまいます。
ECMJがマーケティングチームのリード役としてコンサルティングに入ったときも同様です。チームメンバーに運用サイクルの速度を上げてもらうためには、いかに早く成功体験を積んでもらうか、ここに重要になります。できればコンサルティングをスタートして、3か月から半年の間には成功体験を積み、自信をつけてもらうことを目標にしています。
今回のECMJコラムは成功体験を積み重ねやすくするためのコツ、についてです。
テーマである「成功体験を積み重ねやすくする」についてですが、ここには2つの要素が絡んでいます。まずはここを押さえておきましょう。
ひとつはチームメンバーが選択する行動が成果(=成功)につながっているものであるということです。当たり前ですが、成果につながっていない行動はいくら繰り返しても成果にはつながりません。「成功体験を積み重ねやすくする」ためのひとつ目のポイントは「行動の的を外さない」ということです。
もうひとつのポイント、これは前述した内容にも含まれていますが、成果(=成功)にあらわれるのが早いことであった方が良いということです。成果とは運用改善、試行錯誤の末に得られるものですが、モチベーションを保って行動を加速させるには「できるだけ早く成功体験を積んでもらう」ことが必要になります。
「成功体験を積み重ねやすくする」には、「成果につながる行動をとる」ことと「できるだけ早く成果につながる行動をとる」ことの両面が必要になるわけです。
そこで考えられる方法のひとつが、改善施策のアイデアを「成果へのインパクト」と「成果への期間」の二軸で判断し、行動計画をつくっていくことです。当然、初期に選択する行動は「成果へのインパクトが大きく、成果への期間が短い」ものになります。
次の選択する行動として「成果へのインパクトが大きいが、成果への期間が長い」ものか、「成果へのインパクトが小さいが、成果への期間が短い」もののどちらかに迷うところですが、後者の「成果へのインパクトが小さいが、成果への期間が短い」ものを選んだ方が良さそうです。
成功体験を積み自信がつく、モチベーションが高い状態が続けばいずれ「成果へのインパクトが大きいが、成果への期間が長い」ものも成されるはずですから、ここはチームの組織力とメンバーの意欲への影響が強い「成果へのインパクトが小さいが、成果への期間が短い」ものを優先しましょう。
現実的に特段のボトルネックが存在しなければ「成果へのインパクトが大きく、成果への期間が短い」ものがあることがまれで、ほとんどが「成果へのインパクトが大きいが、成果への期間が長い」ものと「成果へのインパクトが小さいが、成果への期間が短い」ものになります。
本質的な仕事は「成果へのインパクトが大きいが、成果への期間が長い」ものへの継続的なアプローチになりますが、まずはホームランを狙うのではなく「成果へのインパクトが小さいが、成果への期間が短い」ものというヒットを積み重ねていきましょう。
Eコマースをはじめとしたインターネット活用の場合は、ちょっとした導線やちょっとした表現を変えるだけで成果が変わる可能性があります。まさに「成果へのインパクトが小さいが、成果への期間が短い」ものです。