この自粛ムードが5月6日で終わるのか、ある程度のウィズコロナは仕方ないと国民が割り切って行動をしだすのか、それはいまだにわかりませんが、確実に企業のマーケティング活動はデジタルトランスフォーメーション(DX)に本格的に舵を切っていくことになりそうです。
ひとつのアプローチの変化が「オンラインセミナー」の流れでしょう。
いままで年に数回の自社イベントや自社セミナーを開催し、そこからお客様の顧客リストを取得していた(主にBtoBの)会社さんも多いと思います。リアルでの接触、が躊躇われることから「オンラインミーティング(WEB会議)」の流れと同時に「オンラインセミナー」の流れも出てきそうです。
以前、ECMJコラムに書いたかもしれませんが、3月5日にオンラインセミナーに登壇させてもらいました。オンラインセミナーなのに「登壇」という言葉を使うのもヘンなのですが、「登場」の方が適切でしょうか。
ECMJが所属している「日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)」という団体で、毎年3月に開催している「データマネジメント」というカンファレンスが全オンライン開催になったのです。オンラインでの開催が正式に決まったのがイベントの4日前ですから、事務局の皆さんがとんでもない準備をされたのですが、我々オンラインセミナーで「話す側」も様々な気づきがありました。
時短するのです。どちらかといえばセミナーは時間が足りなくなることの方が多いのですが、オンラインセミナーは時短しやすいのです。私以外の登壇者もほぼ時短していました。おそらく、聴講者の姿が見えないから。「話す側」は聴講されている皆さんの反応を見て説明を追加していくので、皆さんの姿が見えないと説明が「順調に進んでいきすぎる」のです。
また、聴講者の皆さんの側から考えると、「モニターに投影される資料をどこまで見ているのか」という疑問もあります。リモートの環境でオンラインセミナーとなると、自分の仕事をしながら「ながら聞き」でオンラインセミナーに参加しているだろうと考えるのが普通です。
オンラインだからこそ資料が作り込める(会場の遠い近いがない)、という部分もありますが、オンラインセミナーは「音声で理解できるようにしなければいけない」のではないかと思いました。もしかしたらラジオのDJのような導き方が近いのかもしれません。
開催方法についても最適化が進むでしょう。現在のオンラインセミナーのほとんどは「リアルで開催していたセミナーをオンラインに乗せた」形になっています。オンラインセミナーは全国どこからでも参加ができる、基本的に参加人数にキャパシティの限度がないわけですから、これまで普通だった「限定50名」のような手法があまり意味をなさないかもしれません。
これまでのセミナーイベントは「同じ場所に集まってもらう」ことが前提となっていて、ある意味「だからこそセミナーを聞いてもらえた」ところもあるかもしれません。オンラインになることでザッピングも自由になるのでいかに落としてもらわないか、の対策も必要でしょう。そう考えると、これまでのような90分のセミナーは長すぎで、20分程度のコマを複数用意する形式の方が聴講者の皆さんにはうけるかもしれません。
市場が変わればまた新しいノウハウが生まれてくるわけで、市場が変わってもそれまでと同じノウハウを続けてると成果はどんどん下がっていきます。ここが「ピンチはチャンス」というか、適応のしどころのような気がするんですよね。ネガティブの中でもポジティブに、変化に対応していきましょう。オンラインセミナー、弊社もいろいろ試すので随時共有します。