著者:石田 麻琴

2020年、経営者を悩ませる3つの課題【no.1804】

 年が明けて、デジタルマーケティングの運用体制構築、運用サイクル構築についてのご相談がさらに増えたように感じています。2020年に入って、オリンピックに対する希望や期待感もある一方、オリンピックが終わった後に直面する日本と社会を考える時期に入ってきたのかもしれません。「今年の年末は~」とか、「来年の今頃は~」とか、考えますもんね。

 経営者の皆さん、事業責任者の皆さんの危機感はやはり社会の変化によるものが大きく、ご相談を受けていると「働き方改革」「人口減と少子高齢化」「DX(デジタルトランスフォーメーション)化の流れ」の3つに課題の根源が集約されているのではないかと思います。この3つが企業の課題として「一気に」きてしまっているわけですね。

 ただ、ちょっと厳しくいってしまえば、数年前からこれらの課題きていたハズなのに「ゼロイチ」も取り組めておらず、このタイミングになって「うわー、これ本気でやらないとなぁ」となっているという。なんとなく「ほぼ起こる未来」として気づいてはいたけれど、目先の仕事に優先順位を置いてしまっていたパターン。これはこれで重要ですし、人間そういうものなんですけどね。

 まずは「働き方改革」という課題。一過性のトレンドワードになるかと思いきや、すっかり社会方針として定着してしまっています。細かいことはあまりわかりませんが、基本は「労働時間を短くして、人生を充実させよう」なのだと思います。ただ、企業が生き残るためには総労働時間が少なくなる分、サービス価値を上げなければいけないわけで、その投資をするためには業務の効率化が必要になります。

 ここに取り組めている会社、いまいち取り組めていない会社それぞれだと思うのですが、従業員の皆さんからすると自社のこと以上に「他社の取り組み」が見えてしまうんですよね。インターネットや特にソーシャルメディアにあふれている情報で。この「他社が見えてしまう(=自社が見られてしまう、もアリ)」というのがポイントで、企業が内部の課題を無視できない理由にもなっています。「ウチはウチだから」では、従業員さんは他社にいくだけですよ、と。

 そして「人口減と少子高齢化」。ECMJのような小規模の会社だと正直あまり「労働力確保」というところは感じないのですが、やはり採用、特に「優秀な意欲の高い若手の確保」は容易ではないようです・・と、これを「人口減と少子高齢化」という課題で片づけてしまうとそこまでなのですが、(良いか悪いかは別にして)たとえばYouTube関係の仕事などは若手の働き手は集まっているわけで、若手から見た「自社と自社のサービスの見え方」というものは再度見直す必要がある気がしています。

 これは「サービスを変えましょう」というわけではなくて、「見せ方を変えましょう」というところで、社内のデザインのリノベーションでもいいですし、会社案内やコーポレートサイトのリニューアルでもいと思います。この「外からの見え方」の継続的な改善をおこなわずに、「若い子こないなー。人口減だからなー」は良くないですよね。

 最後に「DX化の流れ」。DX(デジタルトランスフォーメーション)というと、テレワークとかクラウド活用みたいな業務改革部分と、デジタルマーケティングのような販売戦略・営業戦略の部分の両面があります。前述した「働き方改革」も「人口減と少子高齢化」もDXと密接につながっていて、解決のひとつの手段がDXになっているんですね。自社はどれくらい取り組めているか、と。

 「働き方改革」も「人口減と少子高齢化」というのは日本という国独自の問題なのですが、DXの特にデジタルマーケティング領域においては「外資」も含めた戦場であるのがポイントです。ことインターネットの世界はFANGAが完全に日本にも浸透してしまっているわけじゃないですか。いかにFANGA(&その他)と戦わない市場をつくるか、も大切ですよね。