自社でインターネットマーケティングやデジタルマーケティングを展開していくとき、わざわざ自社の製品やサービスを変えてまで商売を続けていく、みたいなことはなかなか難しいと思う。
たとえば八百屋さんが「このままではダメだ!」と思って魚屋さんに商売をかえる、みたいなね。中長期的に見ればビジネスモデルは変化していくのだろうけども、「八百屋さん→魚屋さん」みたいな業態の画変化まではなかなか考えないと思う。
そして、いくら商売の生き残りが重要だったとしても、世の中的にそこまでは要求されていないし、長年の専門性を失うのとサービスをトレンドに合わせるのとどちらを取るかみたいな話になると、やっぱり前者の方が良いと思う。なので、時代の変化についていくとしてもあくまで自社の枠内になってしまうし、その枠内の中で対応できるニーズをどうやって探すか、というところがポイントになる。
*ニーズを知るためにお客様を知る
どういった商品がお客様にニーズがあるか、どのような商品だともっとお客様が興味を示してくれるか、どのような見せ方・提案をすればお客様が食いついてくれるか。定例のマーケティング会議での鉄板のネタであり、毎度頭を抱えている部分でもあるのだけれど、社内の数人の英知を集めたところでたかがしれている(どんな優秀な人でも!)し、それはあくまで机上の話にしかならない。
会議の場で「それメチャクチャいいね!」という話になっても、いざ実践してみるとお客様からの反応はサッパリということもある。というか、机上の時点ではお客様の反応はわからないので、いくらアイデアを詰めたとしても、ある程度のギャンブル性からは抜けられないわけだ。
どこにお客様のニーズがあるのか。それを知るためにはまず「いまのお客様」をよく知ることではないか。
*お客様ななぜお客様になってくれたのか
いまのお客様どこで自社のことを知ったのか、どこで自社の製品やサービスのことを知ったのか、自社の製品やサービスのどの部分に興味を持ったのか、なぜ他社ではなく自社の製品やサービスを利用してくれたのか。仮にお客様が製品やサービスをリピートで利用してくれているなら、なぜ自社の製品やサービスを利用し続けてくれているのか、という項目がここに加わるわけだ。
まず前提としてここに自社がどの方向にマーケティングを展開していけばいいのかのヒントが隠されている。というか、最初はこのような「すでに明確になっている部分」を伸ばしていけばいいわけで、実は宝物は自社のこれまでの実績の中に隠れていることの典型である。
その上で、「お客様がどのような目的、用途、課題解決」を持って自社の製品やサービスを利用しているのかにも注意をしていきたい。これが「変化するニーズ」を感じるための材料になる。
*お客様はただ単に製品やサービスを買っているのではない
よくある話で、お客様はスコップを買っているのではなく土を掘るという体験を買っているのだ、みたいなものがあると思うのだが、ちょっと例えとしてわかりづらい。まあ、単純にお客様は製品やサービスを買っているのではなくて、何かしらの目的や用途、課題解決のために製品やサービスを買っているのだということ。例に合わせると、「土を掘りたい」という課題解決のためにスコップを買っているわけだ。この課題解決の部分を「体験」とか表現するからわかりづらくなる。
とにかく、お客様には何かしらの「理由」がある。これを掴み続けることが大切で、これを知るためにはお客様に定期的にヒアリングをしたり、定期的にお会いしたり、問い合わせメールやレビューを分析して、その履歴を残し続けるしかない。ポイントは最後の「残し続ける」というところ。残し続ければ変化がわかり、残さなければ点でしか判断ができなくなる。これはデータ分析と一緒です。