著者:石田 麻琴

メール・チャットの情報のやり取り自体を減らそう【no.1795】

 社内のコミュニケーションツールとして何を活用しているか。メールはもちろんのこと、チャットワークやスラックのようなビジネスチャットツールやFacebookメッセンジャーを使っている方も多いと思う。大企業はセキュリティが厳しいところが多いので、自社内オンリーのツールを使っているかもしれない。

 どのツールも便利といえば便利なのだけれども、いずれにせよ「情報は埋もれる」運命にある。メールだから埋もれない、スラックだから埋もれないということがないから困ってしまうわけだ。

*ビジネスチャットは本当に便利なのか

 ECMJでは社内的にスラックをメインで活用している。対外的なところでもスラックを使うところが多くなってきた感はあるのだが、チャットワーク派の会社さんもある。ビジネスチャットの困ってしまうところは複数のシステムが乱立しているため同時に複数を管理しなくてはいけなくなってしまうところにある。これだったらメールの方が入口がひとつに集約されている分、便利な気がしてくる。

 ビジネスチャットはメールのように形式ばらず、簡単に頻繁に情報のやり取りができることが特徴のひとつであるわけだが、あまりに簡単で頻繁にしすぎて単語レベルでのやり取りを何回も繰り返してしまうというのも、はたして便利になったのか不明なところだ。1時間2時間席を外すと、途端に数十の未読が残っている場合もあると思う。簡単で頻繁にやり取りできてしまうがゆえに、余分な情報のやり取りも生んでしまっているわけだ。

 ビジネスチャットが本当に便利なのかは謎である。

*必要な情報が埋もれないためのコツ

 これはメールでも、ビジネスチャットでも、情報のやり取りについて何でも言えることだと思うのだが、必要な情報が埋もれないようにするためのコツは、まずすべての情報に目をとおすことだと思う。そもそも目をとおさないと必要か必要でないか、重要か重要でないかがわからないので仕方がないのだが、まずは「さらっと」で良い。「さらっと」情報を閲覧して、必要か必要でないか重要か重要でないかを判断する「勘」を養うわけだ。

 その上で、必要・重要と思われる情報はチェックを入れる。メールならば「要返信」「要対応」「要熟読」などのフォルダを用意してメールを移動させる。ビジネスチャットならばメッセージにフラグを立てたりメモに残しておいたりする。とにかくやってはいけないのは未読のメールとメッセージを溜め込むことで、もしも現段階でどうしようもない状態だったとしたら無条件ですべての情報を「既読」にして、そこからスタートすれば良い。

 この場合、残念ながらそれまでの未読メールは無視することになるが、しっかりした管理をするための「損切り」だと思って切り捨てるしかない。

*そもそも情報のやり取りがない方がいい

 ここまでメールやビジネスチャットの捌き方について書いてきたのだけれど、根本的にもっとも良いのはそもそもの情報のやり取りを少なくすることだと思う。1日に受信するメールが10通だけだったら確実に対応することができるし、1日にやり取りするメッセージが10通だけだったら見逃すこともない。ポイントは何かの事象が発生したときのルール決めや対面での会議・打ち合わせでの共有・認識事項の明文化などにあるのではないかと感じる。それぞれの認識がずれていたり、共通認識があいまいだったりするので情報のやり取りが増えるわけだ。

 週に1回、2回、定例で打ち合わせをする時間だったり、情報のやり取りをするタイミングだったり、対応ルールだったりを随時アップデートしていれば「情報のやり取り」は着実に減らしていくことができるはずだ。目指すのはそもそものやり取り自体を減らすことだと思う。