著者:石田 麻琴

「期限を守る」ことでお客様の強い信頼を得る【no.1772】

 「期限を守る」ことでお客様の強い信頼を得る。

 「品質を担保する」「期限を守る」。仕事を進める上で、最低限そして最大限の前提条件であるとも言えます。

*「期限を守る」が重要である理由

 「品質を担保する」は前提条件のひとつです。しかし、「品質か高いか、低いか、適切か」は自分で評価することができません。大切なのは「お客様にとっての品質」です。それは「お客様の期待値」であるとも言えます。ですから、「お客様の期待値」が高ければ「品質が低い」という評価になることがあります。「お客様の期待値」が低ければ「品質が高い」ということになりえます。

 「品質を担保する」ために我々ができること。それは、あくまで「自分自身の最大限のパフォーマンスを発揮する」ことだけです。簡単にいえば「手を抜いていないか」。結果としてお客様の評価はどうなるかわかりません。常にベストを尽くすことを心がけるしかありません。「品質を担保する」は「約束」であり、自分でコントロールできるものでもないのです。

 逆に「期限を守る」は自分でコントロールができることです。自分でコントロールできるものだからこそ「期限を守る」ことが重要になります。

*「期限」は自分の努力で守ることができる

 「期限」は自分の努力で守ることができます。その期限が「いついつまでにはできます」と自分で切ったものならもちろんです。「いついつまでにやってください」と先方から依頼を受けたことでも、その依頼を承諾した時点で期限は「守らなくてはいけないリミット」になります。多少の理由があったとしても、先方は「期限内にできる」と思っていることでしょう。

 「期限」は努力で守ることができるからこそ、「守り続ける」ことが重要になります。実際に自分が手を動かす仕事ならば、自分が努力すれば「期限を守る」ことができます。人に依頼するディレクション系の仕事も、依頼先に「期限を守らせることが仕事」です。やはり「期限を守れない」ことは何かを怠ってしまっているわけです。

 「期限」は自分の努力で守ることができます。「期限を守れない」と仕事への姿勢、仕事観を疑われるのも仕方がありません。ここが最低限の前提条件であり、最大限の前提条件である所以です。

*「期限を守らない」ことが普通の業界がある

 ただ残念なことに「期限を守らない」のか「期限を守れない」のかが普通になっている業界があるのも事実です。インターネットやマーケティングの業界だと、開発会社・制作会社・広告会社です。いわゆる「受託系」の会社さんにその傾向が強いように感じます。「期限を守らない」のか「期限を守れない」のかは正直わかりません。

 「すいません。開発が遅れています」が常態化していないでしょうか。「すいません。すいません」を繰り返して、期限をこえて納品して、それで金額を請求できればラッキーなのかもしれません。それはその一回の受注についてであって、お客様は再度仕事を依頼したいと思わないでしょう。もし依頼が続いているなら、自社の力ではなく「市場の力」なのかもしれません。

 「期限」は商機です。商機を逃すと、その価値は一気に下がります。たった1週間だから、たった10日間だからという問題ではありません。「商機を逃す」ならば、そもそもやる意味がないのです。「期限を守る」たったそれだけでも、お客様の強い信頼を得ることができるのではないでしょうか。

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