CRM/SFAを上手く使いこなせている会社はまだまだ少ない・・という話をしたところ、うちの会社は使いこなしているぞという意見が返ってきたのだが、よくよく話を聞くと「顧客データ」がきちんと入力されているだけだった。
CRM/SFAを活用するときの最初のハードルとして「情報をきちんと入力してもらうルールをつくる」ということが重要になるので、「顧客データ」が漏れなく入力されていることについては素晴らしいことなのだが「上手く使いこなせているか」といういうと微妙になる。これではデータベースで顧客リストを管理しているのとあまり変わらない。クラウド化されたことは大きな一歩だが。
CRM/SFAを活用としてポイントになるのは「自社のマーケティングの展開を加速させるためにCRM/SFAを活用できているか」というところである。今日はそんな話。
*何度もサービスを利用してくれているお客様を探す
マーケティングのためにCRM/SFAを活用する考え方として、まずファーストステップになるのは「何度もサービスを利用してくれているお客様はどんなお客様なのか」を分析するところではないだろうか。
サービスを利用した総受注金額でも構わないし、総受注件数でも構わない。まずはCRM/SFAのデータを集計して自社のサービスを何度も利用してくれているお客様(個人も法人も)のトップ30を出してみよう。そのトップ30のお客様のデータとお客様が利用したサービスのデータを見ながら、社内のメンバーで気づいた点を話し合ってみて欲しい。いろんな疑問が湧いてくるはずだ。
ここで知りたいこととして、ひとつは「サービスを利用し続けてくれているお客様は、なぜ自社のことを選び続けてくれているのか」もうひとつは「お客様の属性と利用してくれているサービスを見比べたとき相関性があるか」このふたつに気を遣ってもらえるととても良い。
*お客様はなぜ自社のことを選んでくれているのか
「サービスを利用し続けてくれているお客様は、なぜ自社のことを選び続けてくれているのか」ビジネスを展開してくときの最大の疑問のひとつだと思う。同じようなサービスは世の中にたくさんあり、自社だけしかないというサービスはあまりない。その中でもどうやって自社のサービスを認知してくれ、なぜ選び続けてくれるのか、知っておかなければいけない部分でもある。
もしも「なんとなく」「他を探すのが面倒だから」など、お客様に明確な理由がないとすれば何かのきっかけでオセロの黒が白に変わるように一斉に他社に乗り換えてしまう可能性もある。逆にお客様に明確な理由があるならば、それはもっと見込や新規のお客様にアピールした方がいいことかもしれないし、他社と比較をする中で「絶対に負けてはいけないポイント」でもありえる。マーケティング展開を左右する材料になるはずだ。
*お客様の属性とサービスに相関性はあるか
「お客様の属性と利用してくれているサービスを見比べたとき相関性があるか」。端的にいえば、「どんなお客様がどんなサービスを利用してくれているのか」ということになる。これを知ることで「お客様の傾向」をセグメンテーション(分類)することができるようになる。トップ30という常連のお客様以外のお客様でも「もしかしたらこういうサービスを求めているのではないだろうか」と予測できるようになる。
わかりやすいセグメント要素としては「会社の業種と業態」「会社の規模」「男性か女性か」「年齢」などが挙げられる。トップ30のお客様の属性と利用サービスを分析することによってトップ30以下にいる「まだそこまで利用してくれていないけれど、トップ30に入ってくれるポテンシャルがあるお客様」を見つけられるようになるわけだ。