デジタルマーケティングの最大最高の「あるある」のひとつが「データ入力ができない」ということな気がする。厳密にいえば「データ入力ができない」のではなくて、「データ入力をする習慣がつかない」といった方が正しいと思う。
*ほとんどのケースにおいてデータは「自然」には溜まらない
データというのは必ずしも「自然に溜まっていく」ものだけではない。というか、自然に溜まっていくデータの方がどちらかと言えばマイノリティであり、インターネットを除くビジネスがいまだ中心であることを考えれば、ほとんどのケースにおいてデータは「自然」には溜まらない。だから自分たちでデータをデータベースに入力していく必要がある。
インターネットだけでほぼほぼビジネスが完結してしまう、わかりやすくいえばEコマースのようなビジネスだと、ネットショップのアクセスのデータはGoogleアナリティクスなどに自動的に蓄積され、お客様の顧客データや購買データもクラウド上に自動的に蓄積されていく。これらのデータを自分たちで活用しようとする場合、CSVデータをダウンロードしてデータベースソフトに上げれば自由自在にデータ分析を進めることができる。
*マーケティングツールを変えても意味がない理由
とはいえ、インターネットだけでほぼほぼ完結してしまうようなビジネスはごく一部で、ネットの業界にいると大部分のように感じるが、ほとんどの会社はデータを活用する前の時点で止まってしまっている。インターネットを使わない会社も導入するマーケティングツール、インターネットを使う会社も導入するマーケティングツールという、今後おそらく最もマスで使われると思われるSFA/CRMなんて、データ入力が必須になる最たるツールになる。
SFA/CRMはお客様からの問い合わせ時に入力される顧客データはまだしも、お客様と接点ができてからのアプローチ(いわゆる履歴データ)についてはお客様と接した担当者が直接入力をしなければいけない。お客様のデータ分析、最適なアプローチの検討といったマーケティング分析以前に、履歴データの入力で詰まっているわけだ。場合によっては、顧客データすら入力が曖昧になっている企業もある。(胸に手をあてて正直に考えて欲しい)
これはSFA/CRMのツールを変えたとしても絶対につきまとう壁になる。マーケティングツールは入力の手間を回避してはくれない。
*根本的な組織文化を変えることこそ、デジタル化
プルダウンやチェックボックスを使ってなるべくて手入力(フリーワード入力)を減らす工夫をする。SFA/CRMのシステムに顧客データ・履歴データを入力する時間を会社側から設定する。SFA/CRMへのデータ入力を社員評価の対象にする。などテクニック的な解決策はもちろんあるとして、大切なのは企業の根本的な組織文化を変えることであり、それこそが「デジタル化の本質」だといえる。マーケティングシステムやツールの導入(アカウント作成)はデジタル化でも何でもないわけだ。
いままで帳簿に手書きで情報を残してきた、お客様とのやり取りは電話かFAXでおこなっている、そんな業界もまだまだあると思う。SFA/CRMを活用すれば将来的に仕事が楽になると説明したとしても、簡単にイメージは湧かないだろうし手慣れた方法を続ける方に偏ってしまうのが人間の常ではある。ただ、システムやツールがマーケティングを変えてくれるわけではない、ということにそろそろ気づいた方がいい、というか気づいているハズだと思う。
「データ入力をする習慣がつかない」のデジタルマーケティングあるあるにはまっていたら是非ECマーケティング人財育成まで連絡をください。デジタルを活用して売上を上げるというのは、詰まるところそういうことです。