明けましておめでとうございます。本年もECマーケティング人財育成をどうぞよろしくお願いいたします。
本日は元旦、年末年始のお休み中ということでECMJコラムを読まれている方も少ないとは思いますが、2019年の市場の展望などを書いていきたいと思います。まず、2019年を考えるにあたって2018年にどんなことがあったかを整理する必要がありそうです。
*インターネットのBtoCはより厳しい時代に
2018年の傾向として見られたのが、配送料金の値上げ、CtoCサービスの台頭でしょうか。
まず配送料金の値上げ。Eコマース事業をやられている会社さんにとって頭が痛かったのが配送料金の値上げです。特に秋口の日本郵便の値上げはインパクトの大きなものでした。実質的にヤマト運輸か日本郵便かの「たった二択」になっている市場ですから、両者が交互に値上げをすれば従わざるを得ません。大打撃になるのは「客単価」の低いネットショップ。1,000円2,000円の購入に1,000円の配送料金を支払うのは無理があります。インターネットでのビジネスモデルの変更が余儀なくされる2019年かもしれません。
ちなみに依然としてAmazonプライム会員は送料無料です。どんな仕組みになっているのか、どんなコスト構造になっているのか、うかがい知れない部分もありますが、市場環境からすればインターネットのBtoCはAmazon有利に流れているのが事実。楽天市場が「倉庫で一括管理→同梱して発送」の新しい仕組みの構想を発表しましたが、在庫管理の側面から考えると実現しがたいでしょうね。メルカリ、は一時期に比べると流行が落ち着いてきた感はありますが、逆に文化として根付いている証拠。BtoCのEコマースの状況の好転は難しいかもしれません。
*お客様がお客様を呼んでくれる仕組みをつくる
市場環境を考えれば、新規顧客を獲得するためのコストを圧縮して利益率を獲得するのがベスト。インターネット広告だよりのマーケティングはより厳しくなります。そうなると、ポイントになるのは「お客様がお客様を呼んでくれる」ような商売をつくれるかということです。これはネットショップだけではなく、実店舗においても同じことが言えそうです。
「お客様がお客様を呼んでくれる」商売とは商売の本質でもありますが、ことインターネット活用においてポイントになるのは「情報発信」と「新商品の開発」になるでしょう。
まず後者の「新商品の開発」については言わずもがなです。ECMJがアドバイスをしなくとも、「ヒット商品をつくる」ことが売上にも集客にも利益率にも、すべてにおいて効くポイントであることはご存知のとおりです。もうひとつが「情報発信」。インターネット広告に頼らない「お客様に存在を知ってもらう」ための導線がひつようになります。検索ヒットが狙える「コラム」、顧客層に合った「SNS」の活用がヒントになるでしょう。
また「お客様を呼んでくれるお客様」はどんな方なのか、その定義も必要です。過去のデータ分析における「定量」と自社としての感覚における「定性」の両面から考えていきましょう。
*リアルビジネスに追い風は吹くか
2018年の年末に話題をさらったのが決済アプリの「Paypay」でした。キャンペーン期間以降、「Paypay」を積極的に使っているユーザーは少なそうですが、ビックカメラを中心にした導入実店舗にインターネット並みのお客様が殺到したことで「実店舗の再熱」に若干の光が見えたのではないでしょうか。「Paypay」をネットショッピングでという話も出ていますし、「Paypay」のキャンペーンが再びあるかもしれません。「Paypay」導入やポイント期間への対策含め、リアルビジネスの追い風になりそうです。
自社サイト、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングに加え、実店舗の決済方法もお客様の選択肢に追加されました。「最もお得な場所で買う」というお客様の傾向はより顕著になりそうです。お客様の動きに合わせてインターネットビジネスの運営側も対策を準備しておかなければいけませんね。