「転換率(コンバージョン率)」について考えていきます。ECMJコラムでも過去に何度か転換率について書いています。やはりコンバージョンはEコマースを展開する上で切り話せない課題です。
*転換率(コンバージョン率)とはなにか?
転換率とはアクセス数に対して商品が売れる確率です。ショッピングモールを軸にしたEコマースでは「転換率」という言葉が一般的です。自社サイトや広告を軸にしたEコマースでは「コンバージョン率」と表現されるのが一般的な印象があります。コンバージョンとは「転換」を意味する言葉なので正しくは「コンバージョン率」です。ただ略して「コンバージョン」と言っている人も多いですね。
計算式としては「受注件数÷アクセス数」で計算されます。受注件数が100件、アクセス数が1万アクセスだとしたら「100÷10,000=0.01」。転換率は「1%」です。「うちのネットショップの転換率は1%です」みたいな感じで会話がなされるわけです。
ちなみに受注件数は「注文件数」「買い物かご数」などという言葉でも表現されます。実店舗を運営している会社さんだとわかりやすいのが「POSレジのレシート番号」です。お客様がレジにお会計にきた数がEコマースでいう「受注件数」ということになります。注意が必要なのは、「受注個数」ではないことです。お客様が1度の決済で10個商品を購入したとしても、受注件数は「1件」になります。
*転換率が良いか悪いかはわからない
「アクセス数」についても定義をしておいた方がわかりやすいかもしれません。「アクセス数」とはネットショップにアクセスしたお客様の「のべ人数」のことです。同じお客様が1日に2度、ネットショップにアクセスしたならば「アクセス数」は「2」です。Googleアナリティクス上での「セッション数」と定義が一緒になります。こちらは「UU数(ユニークユーザ数)」とは異なるので注意をしておいてください。
「うちの転換率は●%なんですが、低いでしょうか?」という質問を受けることがあります。自社のネットショップの状態が良いか悪いか心配する気持ちは非常によくわかります。が、この質問は専門家であれども「なんとも言えない」のが本当のところです。(ありえるとすれば、とんでもなく低い場合は「これは低すぎます」と言えますが・・)
転換率の数字を伺って、それだけで「なんとも言えない」理由はふたつあります。
*コンバージョン率を考えるときの落とし穴
ひとつはネットショップで取り扱っている商材、ネットショップの運営方法。またはネットショップの制作レベル、更新頻度。そして広告掲載などのマーケティング施策でネットショップの転換率は変わります。他のネットショップとの比較がとてもしづらいのはこれが理由です。
もうひとつは、転換率は「割り算」で計算されるデータ項目である点です。前述したとおり、転換率の計算式は「受注件数÷アクセス数」です。「割り算」は分母と分子の動き方によって数値が変わってくるということなんですね。転換率が下がったとしても、アクセス数が爆増しているなんてケースもあるわけです。アクセス数や受注件数などであれば「多ければ良い」という判断ができます。しかし転換率は「高いから良い」とは一概にいえないんですね。
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