仕事は常にうまくいくわけではありませんよね。思うように結果が出ないときもあるし、やらなければいけないことを繰り越し続けてしまうときもあります。そんなときに自分自身に声をかけたり、仲間や同僚、ECMJの場合は顧問先のメンバーに伝えるのが「70%を100%続ける」という言葉です。
*人はどうしても100%を求めてしまう
人は仕事に対してどうしても100%を求めてしまいます。自分以外の他人から見たときには「断片的」な部分しか見ることができませんが、仕事を進めている自分自身にとってはすべてが「連続」しています。だから「この仕事はうまくいった」「次の仕事もうまくいかせよう」「ただアイデアが湧かない。自信がない」というような感情が心を支配していきます。
仕事の連続の中では過去の実績や経験から自分自身に期待をしてしまうのです。完璧な出来、100%の仕事を求めてしまいます。逆にいうと、自分自身への期待どおりに仕事が進まなかったときの不安や恐怖が心を支配していきます。そして仕事に対して身動きが取れなくなってしまうわけです。多くの場合、お客様であれ社内メンバーであれ取引先であれ、仕事には「他人の目」が入りますから、それを意識したときに足が動かなくなってしまいます。
*「70%を100%続ける」の70%の意味
ただ必ずしも自分の思っている完璧な出来、100%の出来、期待どおりの出来で仕事が進むということはほとんどありえません。仕事上でチャレンジをし、新しいことに取りんでいけばいくほど100%の出来は遠くなっていって当たり前です。ですから、自分自身に期待をして身体が固まってしまうのは「チャレンジできている証拠」でもあるわけです。これを意識すると「チャレンジなのだから100%じゃなくてもいいんだ」という自分に対してのエクスキューズ(許す)になり、気が楽になります。
もうひとつ、自分自身を理解して足が動かなくなりそうなときは「70%を100%続ける」と考えることです。100%の出来でなくても、70%の出来で十分です。気分がのらなかったり、アイデアが浮かばなかったりする中でも70%の出来の仕事ならば仕上げられるかもしれません。もちろん、自分では納得いかないでしょうが、「動かない」よりははるかにマシです。
*大切なのは「いついかなるときも」続けること
大切なのは「続ける」ことです。「70%を100%続ける」の「70%」部分は前項で説明をしたとおりです。「100%続ける」は「いついかなるときも」続けるということ。やる気があろうがなかろうが、気分がのろうがのるまいが、良いアイデアが思い浮かぼうが思い浮かばなくても「続ける」ということです。なぜならば仕事とは前述したとおり必ず「相手」がいるからです。「好きな時」「気分がのるとき」「余裕があるとき」にやるのは自分本位です。
「70%を100%続ける」これを日頃から意識していても、どうしても40%や50%の出来にしかならないことがあります。そのためにも大切なのは「着手スピード」を上げることです。「着手スピード」が早ければ推敲や改善をすることを前提に最初の仕事を進めることができます。「どうせこれをお客様に見せるわけじゃないんだから」という気持ちで一歩を踏み出すと、その後がスムーズに進みます。また「着手スピード」が早ければ「とりあえずラフですが・・」という言い訳でお客様や仲間から助言をもらうこともできるでしょう。
1月のECMJコラムで「いやな仕事は午前中にやる」というコラムを書きました。「いやな仕事は午前中にやる」と同時に「70%を100%続ける」を心の中に留めてもらえると、滞りを極力少なくして仕事を進めることができるのではないでしょうか。