著者:石田 麻琴

「高額帯」の商品レビューは入っているだけで価値がある【no.1537】

 先日の上越市セミナーの質疑応答で盛り上がったのが「レビュー」についてでした。そのきっかけとなったのが「レビューでポイント付与をやってみたけれどもあまり効果がなかった」という意見でした。

*そもそもレビューをたくさん集める理由

 レビューを書いてくれたら●●を差し上げます。そんなキャンペーンが世の中のネットショップには多々あります。●●はポイントだったり、キャッシュバックだったり、おまけや特典だったり、クーポン券だったり様々です。いろんな手をほどこしてお客様からレビューをもらうわけですが、果たしてその理由は何か、というところです。

 ショッピングモールでネットショップを運営している場合。レビューの数がショッピングモールでの検索順位に関わってきます。単純にいえばレビューの数が多ければ多いほど、ショッピングモールのキーワード検索で自社のネットショップの商品が上位に出てきやすくなるのです。もちろん、低評価のレビューが入ると逆のことが起きる可能性がありますし、どれくらい検索順位に効くかはショッピングモールの設定によって異なります。

 レビューを集めるためのキャンペーンをおこなっているネットショップは圧倒的に「検索対策として」おこなっているところが多いですが、シンプルに「お客様の声を集めている」ネットショップもあります。

*レビューを集めることにどんな価値があるのか

 こちらがレビューを集める本質的な目的なのでしょうが、レビューを集めることによってお客様側からの「客観的な」評価を次のお客様に伝えることができます。ネットショップ側が「主観的に」発信している情報だけではなく、すでにサービスを利用した第三者の意見があることでお客様がネットショップで「より買いやすく」なるのです。

 またレビューを集めることが自社の商品やサービスの改善につながることもあります。レビューの中では「配送は早かったが、メールはわかりづらかった」などの素直な意見をいただくことがあります。こちらも「客観的に」自社のサービスがどうなのかの判断材料です。

 もちろん悪いレビューだけではなく、いいレビューもあります。そしてその中には「自分たちの中では何とも思っていなかったけれども、お客様からは反応が良かった」レビューもあるはずです。「自分たちでは知ることのできない自分」を探すためのツールにするのも良いかもしれません。

*特にレビューを活かすことができる商材

 どちらかといえば、よりレビューを活かすことができるのは「高額帯」の商品を扱っているネットショップになるでしょう。商品単価が5万円以上10万円以上ともなるとそうバカバカ商品が売れていくわけではありません。

 ネットショップは運営者側からお客様をみることができないだけではなく、お客様側からも他のお客様をみることができません。レビューが入っていることで「商品とサービスの評価」を他のお客様に伝えることができるだけではなく、そもそも「このネットショップでこの商品が売れた実績がある」ことを伝えることもできます。

 実は高額帯の商品の場合、後者の「このネットショップでこの商品が売れた実績がある」というのが重要です。お客様は高額帯の商品を「そもそもネットショップで買って大丈夫なものなのか?」から悩んでいます。レビューが1件でも入っていれば、少なくとも1件以上は注文が入ったことをお客様に伝えることができます。

 高額帯の商品のレビューはちょっとした販促や広告宣伝よりもお客様に伝えるインパクトが強い場合もあります。図書カードやAmazonギフト券をオファー(特典)にして書いてもらう価値も十分にあります。自社に合った方法を探してみてください。