著者:石田 麻琴

「販路拡大」型の会社がEコマースで成功するための本当のポイント。四【no.1477】

 Eコマースに取り組むための本当のポイントについて書いていきます。母体となるビジネスをやられていて、インターネットで販路拡大を考えている会社さんによく読んでもらいたい内容です。

*本業が忙しくて、ネットショップ運営ができない・・は困る

 前回のコラムでは「評価」について考えました。「販路拡大」型の会社がネットショップ運営をおこなう場合、直接的なネットショップ担当者にたいして評価の仕組みをつくることはもちろん、間接的にネットショップ運営をサポートしてくれるスタッフにたいしても評価の仕組みがある方がベターです。会社全体でインターネットに取り組むための体制をつくっていきましょう。

 今回のコラムのテーマは「時間」です。「販路拡大」型の会社にとってネットショップはあくまで新しい販売チャネルのひとつです。売上と利益のもとになっている母体となる既存ビジネスの重要性が高く、ネットショップの運営の優先順位は二番目以降になります。本業がコケてしまってはネットショップの運営もできませんから、これは仕方がないことです。

 とはいえ、ここで避けたいのは、「本業の仕事が忙しくてネットショップの運用改善をおこなう時間がない」という事態です。「販路拡大」型でネットショップをスタートした会社さんには、この状態に陥ってしまっているパターンも多いのではないのでしょうか。

*「ネットショップ運営」をおこなう時間を決める

 うちもネット販売を始めなくては、全国の新しいお客様が開拓できるのでは、いまの時代ネットショップくらいないと・・様々な希望をもってEコマース事業をスタートしていると思います。最初の1ヵ月ほどはネットショップをこまめに更新し、売上やアクセスの進捗を気にしていても、次第に興味が薄れてきます。母体となる既存ビジネスが忙しくなると、優先順位の低いネットショップはほったらかしに・・心当たりのある話かもしれません。

 時間があるときに、余裕があるときに、思いついたときに・・ネットショップの運用改善は断続的におこなうものではありません。全国津々浦々の競合ネットショップは今日も更新作業をおこなっているわけです。継続してネットショップの更新をおこない、データから次の仮説を導き出すことでEコマース事業は成長していきます。

 大切なのは「ネットショップのことをやる時間」をあらかじめスケジューリングしておくことです。時間を決めていないと優先順位は後に後に下がっていってしまいます。基本的には本業のビジネスの予定を優先することになり、ネットショップの放置状態が加速します。

*具体策が決まっていなくても手帳に予定を入れておく

 「ネットショップのことをやる時間」は具体的な施策をスケジューリングするためのものではありません。メールマガジンの作成や商品登録、新商品の企画・仕入れ、テキストコンテンツの作成、画像の取り直し、競合分析など、具体的な施策は入れなくて結構です。何を実践するか決まってなくても構いません。とにかく先に「時間を取ってしまう」ことが肝心なのです。

 ネットショップの運営をスタートしたばかりの頃は、ネットショップに対して「何をすればいいか?」ポンポンとアイデアが出るわけでもないと思います。「何をするか」を思いついてからのスケジューリングは、逆にいえば「思いつかなければ実践されない」ことと一緒です。

 まずはとにかく「ネットショップのことをやる時間」を取る。具体策があるなら具体策を。具体策のアイデアがなければ、WEBサイトをみたり、セミナーに参加したり、知り合いにアドバイスをもらったり。「ネットショップのことをやる時間」は実践を探すための単なる情報収集でも構いません。

 つづく。