著者:石田 麻琴

市場分析と競合分析を強化して、変化の対応に強くなろう。5【no.1452】

 市場分析に続いて競合分析について考えていきたいと思います、の最終回です。

 最後は市場分析や競合分析を自社の定例ミーティングに取り入れるための方法です。ひとりでネットショップを運営している場合はまだしも、複数人でネットショップを運営している場合はチームメンバーに情報を共有して、いかに対策を施すか、自社の参考にするかを考えたいものです。

*市場分析も競合分析も「流れ」をみる

 自社のネットショップ運営ツールである「実行数値管理表」の考え方とも全く同じです。データも市場分析・競合分析も「流れ」をみることがポイントになります。「流れ」とは「過去との比較」です。最初は「いまこんな販促企画をやってるようですー」の情報共有で良いですが、できれば「いまこんな販促企画をやってます。たしか半年くらい前にもこういう販促企画をやってたと思うので、効果があったのかもしれません」というような情報共有を目指したいものです。

 データも市場分析も競合分析も「一時点」だけではそれが良いのか悪いのかの判断ができません。「流れ」を追うことで、その成果を感じ取ることができます。

*施策と成果をセットにして情報共有する

 施策と成果はできる限りセットにして情報共有をおこないましょう。成果がわからない場合は「成果はわかりません」や「今度、成果がみえる部分があるか注目していきましょう」というコメントを残しましょう。

 ネットショップは実店舗のようなお客様の賑わいを外側からみることができません。実店舗だと「今日は玉子コーナーに人が集まってるなぁ」とか「チラシに載ってたセール品はあまり好評じゃないのかもなー」とか外側から賑わいをみることができますが、ネットショップは景気のよい販促企画がおこなわれていたとしても、成果があるかないかがわかりません。

 ですから定例のミーティングの中での市場分析・競合分析の情報共有の中で「競合ネットショップのA社がこんなイベントやってます。B社はこんなイベントやってました。うちもB社を真似てやってみましょう」というのは少し危険です。

*サイトをみる、メルマガをみる、ランキングをみる、レビューをみる

 競合ネットショップの販促企画、キャンペーン、インターネット広告、新商品発売・・これらアクションの成果はどこかに出ています。詳細なデータは知ることはできませんが、どこかに成果の一端が出ています。

 わかりやすいのはショッピングモール出店店舗のレビューや検索順位の変動、ランキングの上下などです。販促企画や新商品発売の前後のデータを比較すればその成果を感じ取ることができます。メルマガやサイトを継続的に見続けるのもポイントです。「好評によりキャンペーン継続」だったり「お買い得福袋1,000個完売!300個限定で追加しました!」だったりといった情報が出るかもしれません。情報をチェックするマメさが大切です。

*お客様になりきる。まずは一店舗から

 定例ミーティングでの市場分析・競合分析では、「先週、競合のB社がこんなイベントをおこなっていました。その結果、商品●●のレビューが増えていました」というような情報共有ができれば最高です。なかなか難しいですが、「意識する」ところから始めてみてください。

 第四回でも書きましたが、競合ネットショップの「施策と成果」を感じとるためにはそのお店のお客様になりきってしまうと非常にラクです。大切なのは定期的にサイトやメルマガをウォッチすること。複数のネットショップのお客様になり追い続けるのは大変でしょうから、まずは一店舗、自分の興味があるネットショップを決めてみましょう。慣れてくると手に取るように競合ネットショップの販売スケジュールが見えてくるはずです。

 おわり。