市場分析と競合分析について、数回に分けて書いていきます。
ご存知のとおり、Eコマースの市場は全国大会です。場合によっては世界大会です。インターネットは商圏のない世界ですから、自分のネットショップの半径1キロメートルにあるネットショップが競合になるわけではなく、私たちがまだ見たことも聞いたこともないネットショップが競合になるわけです。ここがインターネットの非常に厄介なところになります。
ネットショップの売上を上げていくためには良い商品をお客様に提供し、用途や課題解決をわかりやすく提案し、より興味をもってもらうための販促企画をつくる。これも重要なのですが、ネットショップ内での努力がお客様に伝わるのは、あくまでネットショップの中にお客様がきてからということになります。いかに市場の中で目立てるか、競合他社よりも自社を選んでもらうか、それを考えるためには市場分析と競合分析を通常業務の中に入れておくことが大切です。
*市場分析の考え方
市場の流れを分析する上で注目したいのが、ニーズの変化です。市場にある商品カテゴリと商品のニーズの流れを読むことで、ネットショップの販売スケジュールや販促スケジュールが組みやすくなります。「自分たちが売りたいものを売る」という考え方ではなく、「市場でニーズが高まっているものを売る」という考え方に切り替えることができます。
お客様のニーズは季節や時期によって変化します。ここではトレンドと表します。1年の間にトレンドは変化をしています。たとえば今月、10月はどんなトレンドの変化があるでしょうか。気候の変化から装いが秋物に変わっていきます。冬物を先買いする人も増えてくるでしょう。シャツよりもニットの方が売れるかもしれません。販促であれば運動会や文化祭、はたまたもう少しするとお歳暮の季節です。年末年始の仕込みも必要かもしれません。トレンドの流れを把握し、スケジュールを組んでいきます。
お正月、バレンタイン、母の日、お中元、夏休み・・と毎年繰り返されるトレンドがあれば、もう少し時間をおいておこるトレンドや不定期におこるトレンドもあります。たとえば年が明けると冬季のオリンピックが開催されます。夏前にはサッカーのワールドカップがあります。2019年には東京でラグビーのワールドカップがおこなわれます。これらは4年に1度おこなわれるので、定期的におこるトレンドといえます。10月の下旬に衆議院選挙がありますが、こちらは不定期におこるトレンドといえるかもしれません。あまり嬉しいことではありませんが、地震や天災も不定期におこってしまうトレンドです。
これら以外に定期的でもなく不定期でもなく、予想のつかないトレンドの変化があります。流行です。まさにトレンドです。これはさすがに予想がつきません。メディアでどんなお店が紹介されるか、どんな情報が発信されるか、番組表で事前に情報が公開されている部分もありますが、どこまでの反響があるかは想像をすることができません。テレビだけではなく、雑誌やラジオ、さらにはインターネットの情報サイト、TwitterやインスタグラムなどのSNSでも日々情報が拡散されています。お客様のニーズは様々な場所で動いています。
ここまでトレンドにともなうニーズの変化についてその要素を挙げてきましたが、これらの情報をすべて追い続けていくことは到底不可能です。頑張りすぎて慣れない仕事をしても、短い期間でパンクしてしまいます。まずはここから紹介する3点について具体的に取り組んでみることをおすすめします。「自社の売りたいもの」も大切ですが、「市場で求められているもの」にいかに転換していくかがポイントです。
つづく。