インターネットの世界はご存知のとおり流れが早いわけでして、今日話題になっていることが一週間後には1年前のような過去のことになっているのが多々あります。今現在だと話題になっているのはVALUでしょうか。このコラムがアップされる頃には論争も収まっている、もしくは新しいフェイズに入っているかもしれません。
あまりに流れが早すぎて何があったかが覚えられていない業界でもありますが、やっぱり「過去にもそういうことあったよね」というのを振り返っておくことって重要だと思うんですよね。ネットの世界は特に始まるときは華々しいのですが、ひっそりと終わっている(話題にならなくなっている)こともあります。
サービス提供側としては、あくまで「最適な運用改善の一環」だとは思うのですが、サービス利用側としては「マーケティングの中心になる!」という気持ちでのぞんでしまったりするので注意が必要です。このあたりは、どちらかというと問題は受信側にあって、デジタルのマーケティングを本質的な目線でみる力が必要になります。
そんな感じで最初に思い浮かんだのは「Fコマース(ソーシャルコマース)」でしょう。時期的には2010年~2012年あたりの話でしょうか。Twitterとfacebookのユーザーが一気に拡大した時期に、「Eコマースは古い。これからはソーシャルコマースの時代だ!」と言い出す方がたくさんおられました。よく考えれば、SNSとEコマースは目的が違うのでいきなりの転換は難しいと思うのですが、こんな流れありましたよね。
おまけに、いまでもあるようですが、楽天市場がfacebookに店舗を作りました。楽天市場に出店しているネットショップすべてのfacebook店舗を用意したのです。しかも「オプトアウト」という、店舗側が自ら断りを入れないと課金される仕組みでfacebook店舗を作ったので、非常に後味が悪かった。いまだにfacebook店舗にお金を支払っているネットショップもあるのではないでしょうか。効果はどうですか?
SNS絡みでいうとあまりに瞬発的だったのがピンタレストかもしれません。覚えている方も多いと思いますが、Twitterとfacebookの次にきた画像メイン系のSNSです。「次はピンタレストの時代が来る!」と大々的に発信されましたが、結果的に盛り上がり切らず終わりました。でも実はいまだにピンタレスと使ってる方もいるんですよね。WEBサイトの参照元を見てみてください。
まあ、画像系のSNSってのは一概に間違いでもなくて、インスタグラムが流行ってますから、どちらかというとピンタレストは早すぎたのかもしれません。楽天市場がピンタレストを買収して、facebookがインスタグラムを買収したってのは面白い話で、ここまで規模に差が生まれるとは。ちなみに最近少し話題になった「マストドン」と瞬間的に消えましたね。
オムニチャネル戦略・越境ECあたりも一見するとトレンドワード的な匂いがしますが、実はマーケティングとしては本質をついているもの。リアルとネットの融合と海外への販路拡大ですからね。ただ、オムニチャネル戦略と越境ECを簡素なマーケティングツール化してしまっているソリューションが本質を隠してしまっている気がします。本来はビジネスモデル全体を見直す機会であるはずなのに、「これさえやれば大丈夫でっせ!」的な見せ方をしてしまっているというか。
ネットの業界にある程度浸かっていて、引いた目線で物事を見る方なら「それって一時的なものだよね」とか「注文には繋がらないよね」みたいなのは気づきやすいとは思うのですが、やっぱり慣れていないとトレンドワードに流されることになる。ネットの世界もいまだに「SEO対策」ですからね。余計な時間とお金を使わないように、ぜひECMJに相談をして欲しいところです。
おわり。