著者:石田 麻琴

(番外編)回転寿司のお客様がみんな会員カードを持てば‥ 【no.0137】

 回転寿司のお客様がみんな会員カードを持てば‥

(前回のコラムを読まれていない方は、まずこちらからお読みください)

 データを活用して廃棄率75%減を実現した、スシローのデータマーケティングを解明しよう。第五回です。

 前回は、「お客様がどのタイミングで何を食べたか」のデータについて書きました。このデータを取得してデータ分析をすることが、需要予測に繋がります。「注文ID」や「商品ID」など10項目を取得するデータ項目としてあげました。この10項目のデータを積み重ねることで、より需要予測の精度をあげるわけです。

*「顧客ID」があればデータマーケティングが楽になる

 さて、今回の「データを活用して、廃棄率の75%減を目指す」というテーマ。これは会員カードによる「顧客ID」が取れないことを前提にして書いています。

 お客様が来店のたびにログインすれば、より精度の高いマーケティングを実現できます。しかし、会員カードを作ってもらうマーケティング施策を考えなければいけません。ですので、「顧客ID」があることを前提にするわけにはいかないのです。お客様が「新規の来店か、リピートでの来店か」わからないという前提で書いています。

 とはいえ、「顧客ID」があれば、非常にデータマーケティングが楽になります。今回は、番外編ということで、「あったらいいなの顧客ID」という話をします。

 「顧客ID」の使い方はこうです。

 まずは、回転寿司チェーンとして、全店舗統一の会員カードを発行します。既存の会員システムを使い、キャンペーンや特典でお客様を集めます。ここは「なんとかして会員カードをたくさん発行する」というところに留めておきます。

 お客様に会員カードを持って来店してもらいます。テーブルに付属した注文パネルにログインしてもらいます。来店回数や食べた皿の累計数に対して、特典をつけるなどでも良いでしょう。とにかく、会員になってもらい、会員カードを持って来店してもらい、ログインをしてもらうわけです。

*「どのタイミングで何を食べたか」のデータが有効

 お客様にログインをしてもらいます。すると、会員カードのデータとサーバーの顧客IDが紐づきます。そして、過去に「どのタイミングで何を食べたか」を閲覧することができるわけですね。これが、回転寿司の需要予測をする上で、有効なデータになります。「来店時に必ず食べている寿司」「いままで1度も食べたことがない寿司」「来店毎に食べる皿の枚数の目安」「来店毎の店舗の滞在時間」などなどがデータとして見えてきます。

 これがファミレスだと、回転寿司ほどは有効なデータにはなりません。ファミレスの場合は、お客様1人が注文する商品は1品もしくは2品です。その日の気分でとんかつ御膳、煮込みハンバーグ、サイコロステーキ・・と変わります。回転寿司に比べてデータからの注文の傾向が取りづらいでしょうね。回転寿司はお客様の注文のレコードが多いため、「これは絶対食べる」「これは絶対食べない」が読みやすくなります。

 つづきはこちら

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