著者:石田 麻琴

鬼切殿、提出日を守ってください。【no.0287】

 ネットショップのあるあるストーリー、その壱つづき。(前回はこちら

 鬼切社長は、「おにぎり水産ネットショップが大切にしたいこと。目標としたいこと。ありたい姿」の4つ目をホワイトボードに書き出しました。

・いつか一度は、工場見学・実店舗にきてもらえるようにする。

 これからネットショップを再構築し、運営していく中で、インターネットを通じて、おにぎり水産やおにぎり水産の笹かまぼこに興味を持ってくれる人が、たくさんいると思います。そんな、インターネットでおにぎり水産を知ったお客様に、いつかは一度、宮城のおにぎり水産まで、工場見学・実店舗にきてもらいたい、鬼切社長はそう思ったのです。

 これまでショッピングモールで笹かまぼこセットを3,000人近くの方に販売してきましたが、そのお客様たちは、おにぎり水産に興味を持ってくれ、工場・実店舗まで足を運んでくれたかというと、そんな方は、ひとりもいませんでした。でも、これから、ネットショップを続けていく限りは、工場見学・実店舗からネットショップを利用するお客様だけではなく、ネットショップから工場見学・実店舗を利用してくれるお客様がいたら素敵だなと、鬼切社長は考えたのでした。

 そして5つ目。鬼切社長は、おにぎり水産ネットショップの売上と利益、笹かまぼこという商材、ネットショップのお客様、という3つの視点だけではなく、本格的にインターネットに取り組む、おにぎり水産にも「あるべき姿」があった方が良いと考えました。鬼切社長は、目を閉じてこれまでのネットショップへの取り組みを振り返り、ホワイトボードにこう記しました。

・おにぎり水産、全社としてインターネットに取り組む。

 これからネットショップをおにぎり水産の新しい事業の柱に育てていくにあたって、これまでのように、ネットショップに取り組むのが鬼切社長と事務の静子さんという2人ではなく、工場のメンバー、営業のメンバー、仕入れのメンバー、実店舗のメンバー、おにぎり水産のみんなでインターネットに取り組むという姿勢が重要だと思いました。

「ふぅ・・。なかなかいいものが書けたぞ。早速、猪井氏(いいし)先生に送ってみよう」

 鬼切社長は、

・売上年商1億円。利益2,000万円。

・笹かまぼこのブランド価値を高め、市場を拡大させる。

・笹かまぼこという食べ物だけではなく、その歴史、生産への思いにも興味を持ってもらう。

・いつか一度は、工場見学・実店舗にきてもらえるようにする。

・おにぎり水産、全社としてインターネットに取り組む。

 この5つを紙に書き出し、猪井氏先生の事務所にFAXをしました。すると、間もなくして、FAXが返信されてきました。鬼切社長は、猪井氏先生の事務所宛てに送ったFAXが送信できなかったため、未送信のレポートが送られてきたのだと思いました。なので、また後でFAXを流そうと、そのまま、そのFAXを放っておきました。

 すぐに返ってきたFAXが、猪井氏先生からの返信だと知ったのは、事務の静子さんが鬼切社長のところにFAXを持ってきたからでした。「社長、2時間前に猪井氏先生からFAXが来ているようですが・・」。猪井氏先生は、鬼切社長からFAXを受け取ると、すぐにFAXを確認をして返信してきたのでした。その返信FAXには、こう書いてありました。

「 鬼切殿

宿題、ありがとうございました。

しかし、宿題の提出日は、来週の金曜日のはずです。提出日を守ってください

早くても、遅くても、いけません。

来週の金曜日まで、じっくり考えて、提出してください

猪井氏俊夫 」

 鬼切社長は、宿題を早く提出することに、特に問題はない気がしましたが、猪井氏先生には何か理由があるのだと思い、引き続き宿題を考えることにしました。

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  1. おにぎり水産ネットショップが大切にしたいこと。【no.0280】 | ECマーケティング人財育成 | ネットショップ事業と人材を共に育てる。

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