成長っていうものは、真っ直ぐななめ上に伸びているものじゃないんですよね。
曲線を描きながら、階段をのぼりおりするような感じでななめ上に伸びているのではないかと。そして、近くから見るとそうなっているのですが、遠くから見ると階段のように、
「平坦があって伸びて、平坦があって伸びて」
を繰り返しているのではないかと思います。
知り合いの経営者は「3年周期」ということを仰っていました。
物事を3年周期で考える。たぶん、この成長の階段の「ひと段」をのぼるのに3年の時間を見られているのではないかと思います。弊社は昨年の9月で3期目が終わり、4期目に突入しています。自社も「3年周期」で考えると、確かに成長のステージ・テーマが創業からの3期目までと全く変わっているんですよね。面白いものです。
弊社もそうなのですが、1つ目の階段をのぼりきってから、2つ目の階段をのぼろうとする、ここが非常に大変なのではないかと感じています。そこには大きく2つの理由があることに気がつきました。
2つ目の階段を邪魔するもののひとつ目は自分自身の中にある危機感です。事業に取り組み始めたころは余裕などありません。自分自身で会社を経営しているなら、結果が出なければ倒産をしてしまうわけですし、事業の責任者ならば、結果が出なければ事業が終了してしまいます。しかも、時間とお金というリソースは有限です。「いつか結果が出れば良い」わけではありません。
事業をスタートし成長軌道に乗せるまで、1つ目の階段をのぼっている途中は、危機感が自分の肌身のスレスレにあります。しかし、1つ目の階段をのぼりきり、事業が成長軌道に乗ると、事業終了の怖さがなくなります。周りが事業をひとつの存在として認めてくれるようになります。リソースの心配がなくなります。結果、肌身スレスレにあった危機感が、半径3メートル先に遠のくのです。
これが2つ目の階段を邪魔するものになります。敵は安心感と満足感です。危機感が肌身スレスレだったときは「結果を出すためなら何でもやる!」となっていた心も、2つ目の階段の前では「そこまでするほどじゃねぇか」になってしまいます。これを突破し、2つ目の階段をのぼるためには、大志か野望か責任か、何か他の要素が必要になります。1つ目の階段と2つ目の階段では、エンジンを切り替えなくてはいけないわけです。
2つ目の階段を邪魔するもの、ふたつ目は規模の拡大です。これは経営者というよりも、事業責任者の方に立ちはだかりがちなハードルかもしれません。ひとつ目の階段は、自社のノウハウやリソース、外部からの情報を上手く活用し成長軌道に乗せることができたが、2つ目の階段をのぼるには、もっと大掛かりな仕事が必要になります。
成長の階段は、のぼればのぼるほど、より多くの人を巻き込まなくてはいけません。例えばネットショップならば、1つ目の階段は、自分自身がひとりでパソコンの前で試行錯誤をすることで突破することができたかもしれませんが、2つ目の階段をのぼるには「会社全体の仕組み」を変えなければいけません。1つ目の階段では関わりの少なかった商品の製造や仕入れ、品質の管理、在庫の管理、物流の運用フロー等々に手を入れ、全体の最適化を図っていかなければいけなくなります。
プレーヤーからマネージャーへの役割の変更、そして人を巻き込む「伝える力(プレゼンテーション力)」を持つことが2つ目の階段をのぼるためのキーポイントになります。「自分ひとりで何とか・・」では2つ目の階段をのぼることはできません。
2つ目の階段について気づいた点を書いてみましたが、まだまだあるかもしれません。その他の2つ目の階段を邪魔する者、3つ目の階段も気づき次第書いていきたいと思います。また、できるだけ多くの階段をのぼれるように日々努力しなくては、ですね。
おわり。
[…] ・成長の階段。1つ目をのぼって、2つ目をのぼることの難しさ【no.0522】 […]