ECMJブログでは、リアル・ネットを問わないマーケティングのセオリーをお伝えしています。今回は、ひとつのまとめとして、これからのマーケティングを「原理原則」の視点から書いていきたいと思います。
まずは、ネットのマーケティングです。
ネットのマーケティングとは、データマーケティングです。これからもデータをいかに活用できるかが勝負になります。Eコマースサイト、サービスサイト、オウンドメディア等々を企画・構築・運用するときに、「WEBサイトからどのようなデータを取得したいか。そのためには、どのような仕組みが必要か」を設計する必要があります。サイトをリリースし運用がスタートした後に、データを取得・集計する仕組みを改善していくのも良いですが、できれば企画の時点からビジネスモデルに合ったデータのモデリングをしたいところです。
逆に、データの取得に制限のあるプラットフォームでの勝負は、分が悪いと言わざるを得ません。EコマースサイトならばショッピングモールやインスタントカートASP、オウンドメディアであればブログプラットフォームなどです。サービスサイトの設計は基本的に自社開発なので問題はないと思いますが、プラットフォーム上で勝負をするならば、データの取得ができるところを選択した方が良いでしょう。逆張りとして、プラットフォーム内だけで徹底して勝負をすると「割り切り」、データ取得の制限がある中から、独自のデータ分析方法を開発して、絶対的なスモールビジネスをつくる。こちらも、もちろんアリです。ただ、プラットフォームの意向には逆らえないので、その点はリスクとして常に持っておいてください。
データマーケティングの本質は、顧客データの取得と集計、そして活用です。インターネット広告の傾向を見れば明らかですが、顧客を集客するマーケティングとして、徹底的に「一本釣り」をする方向に動いています。インターネット広告の仕組みは、インターネット上から取得できる顧客の「顧客属性データ」「利用履歴データ」「行動履歴データ」を組み合わせることで、よりサービスを利用し続ける見込顧客を見つけることに、技術を活用が集約されています。
オウンドメディアの企画・構築・運用によるロングテールの検索対策も、より絞って情報を探している見込顧客に対してのアプローチです。良質なコンテンツを増やし続けることで、発信力を強めていくのと同時に、特定の情報に対しての「一般論」ではなく「自分のケース」を探している見込顧客に接触する可能性を高めていくのです。インターネットは「自分の好きな情報だけをジャンプし続ける」世界ですから、基本的にマーケティングは「一本釣り」の方向に行きます。
ならば、自社のサービスをインターネットでPRし、マスな層にリーチする方法はあるのか、という話になりますが、現状インターネット上で「一本釣り」ではなく、マスな層にアプローチできる可能性があるとすれば、唯一Yahoo!トピックスだけになるかと思います。その点でも、GunosyやSmartNews、NEWSPICKSなど、新しいメディアに注目です。しかし、行動ターゲティングが狭すぎると、やはり「一本釣り」の状態になるので、これから顧客に対してどれくらいの情報の広さでアプローチしていくのかが気になります。データマーケティングという統計や分析の話だけではなく、文化人類学や脳科学・心理学などを組み合わせて、サイトを運用改善していくことになるのでしょう。答え合わせをするには、少なくとも5年の月日が必要になります。
つづきはこちら。
[…] これからのマーケティングを「原理原則」視点で考える。(前回はこちら) […]