ネットショップのあるあるストーリー、その壱つづき。(前回はこちら)
猪井氏(いいし)先生からのアドバイスをもらった鬼切社長は、おにぎり水産ネットショップのお客様を、「笹かまオニギリ」を利用してくれた方、おにぎり水産の笹かまぼこ工場を見学された方、つまりおにぎり水産のことをリアルの場で知っている人に定義することにしました。
猪井氏先生がおにぎり水産ネットショップを再構築するにあたって、初めに鬼切社長に出した宿題は、「おにぎり水産ネットショップが大切にしたいこと。目標としたいこと。ありたい姿」を箇条書きで書き出すというものでした。この宿題は、猪井氏先生がおにぎり水産にきた日から、ちょうど2週間後に、猪井氏先生の事務所にFAXをすることになりました。
鬼切社長は、「おにぎり水産ネットショップのお客様」を考えたときと同じように、会議室のホワイトボードに、「おにぎり水産ネットショップが大切にしたいこと。目標としたいこと。ありたい姿」を書き出すことにしました。しかし、あのときと違うのは、「大切にしたいこと。目標としたいこと。ありたい姿」のイメージがスラスラと頭の中から出てきたことです。
鬼切社長は、まず1つ目として、売上と利益の目標を立てることにしました。これからEコマース事業を、おにぎり水産の新しい売上の柱にしていくため、きちんとした目標が必要だと考えたのです。また、以前、ショッピングモールで笹かまぼこを送料無料で安売りし、しかも、多額の広告費をかけてしまった経験から、利益の目標も同時に設定し、きちんとした事業化を考えることにしました。
・売上年商1億円。利益2,000万円。
鬼切社長は、まずその文字をホワイトボードの一番上に書き出しました。ネットショップでの年商1億円がどれくらい難しいことなのか、また、本当に2,000万円の利益が残るのか、本格的にネットショップをスタートする前の鬼切社長にはイマイチわかりませんでしたが、まずはひとつの目標、ひとつの到達点として「売上年商1億円。利益2,000万円」という数字を選びました。
次に書き出すことは、数字の目標を立てる前に決まっていました。
・笹かまぼこブランド価値を高め、市場を拡大させる。
鬼切社長の頭の中には、二子社長に言われた言葉がまだ強烈に残っていました。ショッピングモールのネットショップがどうしようもなくなり、二子社長にアドバイスを伺いに行った時のことです。「鬼切社長のやっていることは、笹かまぼこのブランド価値を失わせる行為だ」。その言葉でした。
ニコニコ水産と同様、おにぎり水産も本気でネットショップを育てていく限りは、笹かまぼこという食品のブランド価値を上げ、さらに市場を拡大し、おにぎり水産だけではない地元の笹かまぼこ業者に潤ってもらうこと、それが責務であると考えました。
そして3つ目。これも、鬼切社長の頭の中にはずっと浮かんでいたことでした。
・笹かまぼこという食べ物そのものではなく、その歴史、生産への思いにも興味を持ってもらう。
実店舗「笹かまオニギリ」を利用してくれてお客様は、ほぼ全ての方がおにぎり水産の笹かまぼこ工場を見学された方です。笹かまぼこ工場の中には、笹かまぼこの歴史や生産者の声などが見学できる小さなホールがあります。笹かまぼこの歴史を知り、生産者の思いを知り、そして工場を見学するからこそ、共感をして笹かまぼこを買ってくれるのでした。
これまでのネットショップでやってしまったような「安いから、送料無料だから」という理由ではなくて、笹かまぼこ・おにぎり水産の背景にも興味を持ってもらいたいと考えたのです。当然それをきちんと伝えていくことこそ、笹かまぼこという食品のブランド価値を上げることに繋がるのではないかと考えたのです。
鬼切社長は4つ目の項目を書き出しました。
つづきはこちら。
[…] 第二十四話 おにぎり水産ネットショップが大切にしたいこと。【no.0280】 http://www.ecmj.co.jp/?p=3565 […]
[…] 第二十四話 おにぎり水産ネットショップが大切にしたいこと。【no.0280】 http://www.ecmj.co.jp/?p=3565 […]