著者:石田 麻琴

「内的要因」でも「外的要因」でもない、中間地点が存在する。【no.1113】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。

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七海さんと友花里さんはデータのもうひとつの重要性に気づき始めていました。

七海さんの意見を聞いて、友花里さんが言いました。

「そうか。だから麻間(あさま)さんが、『わさび漬け笹かまぼこ』じゃなくて、『おにぎり水産笹かまぼこ工場見学』だったり『おにぎり水産ネットショップ』だったりに動きがあったとしてもチャンスが掴める、とおっしゃっていたんですね」

麻間さんが友花里さんの言葉に大きく頷きました。

「そうなんです。大切なのは、『変化に気づく』ことができるか、ということなんですね。だからそれは、『わさび漬け笹かまぼこ』でも『おにぎり水産笹かまぼこ工場見学』でも『おにぎり水産ネットショップ』でも変わりません。大切なのは、『いつもとちょっと違うぞ?何かあったのか?』に気づくことができるか否か。当然、『いつもと違うぞ』を感じるためには、自分の中に『いつも』をもっていなくてはいけません。この『いつも』は、ネットショップの運営において何かといえば、七海さんどうですか?」

麻間さんの質問に、七海さんは自信を持って答えました。

「データを毎日みて常に状況を把握しておく、ってことですよね」

「七海さん、正解です。ネットショップにとって『データ』とは、『体温』や『体重』のようなものです。定期的に数字を押さえておくことで、『いつもと違うぞ』を感じることができます。その定期的が『1か月に1度』や『1週間に1度』ではなく、『毎日』になってくると、より『変化に気づく』スピードが早くなります。『わさび漬け笹かまぼこ』の変化も、『いつもと違うぞ』に気づいたのが翌日の朝だから良かったんですね。これが1か月先だと、何があったのかさっぱりわからなくなりますからね」

麻間さんの話を聞いて、何かを感じ取ったのか、友花里さんが質問をしました。

「毎日、麻間さんに教えていただいた『実行数値管理表』をつけて、日々の業務とその成果の因果関係を確認できるようにしようってことだったと思うんですが、今回の『わさび漬け笹かまぼこ』の件って、自分たちで実践したことではないですよね。これって、『実行数値管理表』のもうひとつの使い方になるのでしょうか?」

「友花里さんのおっしゃるとおりです。『実行数値管理表』のひとつの使い方は、日々おこなっている業務・施策とその結果の相関性を探っていくことです。『原因と結果』をウォッチし続けるための表、というわけですね。もうひとつは、指摘いただいたとおりです。日々のデータの変化から『異常値』を探すために使います。数字が動く原因は、ふたつあります。七海さん、何でしたっけ?」

「確か、『内的要因』と『外的要因』ですよね」

「そうです。いま説明したひとつ目の日々の施策と結果の相関性、ここは自分たちがアクションした『内的要因』を使って判断をしていきます。もうひとつの『外的要因』を確認するために、『異常値』を探すのです。ですから、『実行数値管理表』の活用として、『内的要因⇒結果』、自分たちのアクションから成果を分析する方法と、『結果⇒外的要因』、結果から外的要因が起こったかを探る方法があるということですね。このふたつを十分理解して、『実行数値管理表』をつけていくと良いと思います」

七海さんと友花里さんは、「内的要因⇒結果」「結果⇒外的要因」のふたつをメモしました。

「あとひとつ、『内的要因』でも『外的要因』でもない、中間地点が存在します。これが成長のポイントです」

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