月末になると突然やってくるメールがあります。退職のメールですね。
このたび、●月末日を持ちまして、株式会社××××を退職することになりました。在職中はお世話になりました。これからは△△の会社に勤めることになりました。いままでどうもありがとうございました。今後とも、株式会社××××をどうぞよろしくお願いします。
みたいなメールです。そんなに頻繁に、ではないですが、たまーにいただくことがあります。「○○さんが退職か・・」と思うのと同時に、「退職前か退職後にランチでもいかがでしょうか?」というご連絡をします。退職前後に会って、繋がりを深くしておくことが非常に大切だと思っているのですね。なんだか、手の内を見せているようでいやらしい話ですが・・。
まず、退職のメールは、名刺交換をした方全員に送っているわけではありません。ITシステムを使って名刺のデータを取り込んで、退職のメールを顧客管理ソフトから一斉配信している方も中にはいると思いますが、ほとんどの場合はメーラーから「人を選んで」退職メールが送信されています。退職メールが送られてきた時点で、「退職後も繋がっていたい」と選ばれているわけですね。
また退職前後、どちらかというと退職直後がもっとも肩ひじを張らずに情報交換ができる場になります。なにせ、前職のしがらみがないわけですから、良いことは良い、悪いことは悪い、疑問に思うことは疑問に思う、とはっきり言うことができます。露骨に内部の情報を教えてくれ、みたいなのはグレーかとは思いますが、ニュートラルな立場で意見交換することができます。
前職で働いていた環境と転職先で働く環境は必ずしも同じではありません、というかほとんどの場合、環境はまったく異なります。たとえば、前職時代は仕事の提案をしても聞き入れてもらえなかったものが、転職先ではすんなりと聞いてもらうことができることもあります。「実は会社の事情で、提案を聞くことができなかった。一緒に仕事をすることができなかった」というケースも大いにありえます。
環境の変化の前後はチャンスです。転職先の仕事がスタートしたら、環境に慣れるためにまた忙しくなるのですから、転職直前・転職直後のいずれかに接触を持っておくのが好ましくあります。退職のメールをいただいて「転職先での成功を祈っています。またぜひお会いしましょう。ご連絡お待ちしています」の返信ではもったいない。こちらから「ぜひ一度会いましょう。転職祝いをさせてください」と返信する方が有益です。相手の印象にも確実に残ることができます。やっぱり、「会って話す」以上の信頼関係はないですね。
他にも、相手が繋がりを求めているかを判断するためのポイントがあります。ひとつは、退職の何日前にメールを送ってくれたのか。もうひとつは、メールの発信アドレスです。
会社の規定によって決まっている場合もありますが、退職日に退職のメールをお送りしても、返信が受け取れない可能性があります。翌日にはメールアドレスが失効しているわけです。退職日の数日前に退職メールをもらえたら、繋がりを求めている可能性が高まります。また、発信のメールアドレスが個人のものであれば、こちらも返信が可能なわけですから、繋がりを求めている可能性が高いわけです。そして基本は、「相手が求めていることをやる」です。
退職日当日に会社のメールアドレスで、「本日を持ちまして退職することになりました。後の担当は▲▲です」みたいなメールが来ると、「あぁ~」と思います。なんだか学生時代のコンパの後のメールを分析しているみたいですね。
おわり。
[…] ・退職のメールをいただいたときの適切なリアクション【no.1097】 […]