著者:石田 麻琴

スタートする前から「努力とリターンのバランス」を考えない。 【no.1082】

 以前「ブログを書くのは毎日ではなく、月2回1,000文字でも意味があるのか」というコラムを書いたんですね。そのコラムについてまっとうなご指摘をいただいたので、今日はそのことについて書きたいと思います。

*まずは小さな一歩でも、着実にスタートすること

 前述のコラムの最初の数行を読んで、「もっと厳しい返答をする展開になるのかと思ったら、意外とポジティブな返答で驚いた」という反応をもらったんですね。

 前述のコラムは、講演会でいただいた質問についての回答内容です。インターネットからの認知向上のためにコラムを活用したい。ただ毎日1,500文字を書き続けることは難しい。月2回、1回あたり1,000文字からスタートするのは意味があるのか、という質問でした。

 コラムにも書いたとおり、私から回答としては、まず月2回でもいいから続けて欲しい、と。毎日1,500文字を書くことよりも、集客力や認知向上の効果は劣るけれども、少しずつでも発信を続けていくことに意味がある。慣れたら、更新頻度を上げていって欲しい。また、情報発信は新規顧客ではなく既存顧客への信用にも繋がる。こんな回答でした。

 回答の意図としては、「まずは小さな一歩でも、着実にスタートしていくところから始めましょう」というポジティブなものだったのですが、このブログに指摘をいただきました。

*「書く」ことに慣れるためには・・

 ひとつは、月2回の更新頻度で、果たしてコラムを書くことが「習慣化」するのか、ということ。月2回の執筆となると、15日に1度コラムを書く仕事が入ることになります。これだけの時間が空いてしまうと、「コラムを1,000字書く」ということが習慣にならないのではないか。となると、より更新頻度を上げていくことも無理なのではないか、という意見です。

 確かに、取り組み方によるとは思いますが、月2回だと間隔が開きすぎていて、「書く」ことに対する慣れがうまく身につかないかもしれません。むしろ15日に1度やってくるコラムの更新日が「苦痛」になってしまう可能性もあります。

 もうひとつ、こちらもまっとうな指摘でした。そもそも「月2回1,000文字でも意味があるのか?」という質問は、「ミニマムの努力でリターンを得ることは可能なのか?」という質問と一緒なのではないか。つまり、「毎日1,500文字コラムを書く」という仕事を標準にしたとき、ハードルの下げ幅とリターンの得られる度数のバランスが知りたい、ということではないのか。そんな意見でした。

*「努力とリターンのバランス」を考えすぎると継続は難しい

 講演会で質問をいただいたときは、そんな意味には感じなかったのですが、「努力とリターンのバランス」を考えているとすれば、たとえ「月2回、1,000文字」だとしてもビジネスコラムに取り組むのは難しいかもしれません。

 なぜかというと、コラムは効果が出るのにそれなりの時間がかかるからです。毎日続けていたとしても「目に見える効果」が出るのに2-3ヶ月はかかりますから、「月2回1,000文字」だとしたら最低1年は努力を続けなければいけないでしょう。あくまで感覚値です。

 なので、コラムをスタートする前から「努力とリターンのバランス」を考えているとなると、1年間継続した上で得られる結果を「待てない」と思うんですね。スタートする前から「上手くやろう」とするのはもっとも多い「失敗パターン」のひとつで、「上手くやる」方法は一回飛び込んで、走りながら探すのがいいと思います。

 とにかく「月2回、1,000文字」でも、まずは続けてもらいたいですね。できれば「毎日1,500文字」書いて欲しいですけれど、まずはそこから。