著者:石田 麻琴

まずはここから徹底的に。WEBサイト運用改善アプローチ。その弐【no.0942】

 WEBサイト運用改善アプローチ。(前回はこちら

 未来のデータに向けてのアプローチにはふたつの種類があります。ひとつは、自分たちがどんなアクションを起こしていけばという、いわゆる「施策」です。もうひとつが、市場環境の変化が起こったときに自分たちはどうすれば良いかという、「対策」ということになります。この「施策」と「対策」という「原因」を用意することで、未来のデータという「結果」を変えていくのです。

 「施策」と「対策」を考えるための材料は、これまで整理された因果関係にそのヒントがあります。

 例えば、過去のデータと現在のデータの変化、そしてその要因として自分たちが起こしたアクションが考えられるならば、その施策を継続・拡大させていくのが効果的でしょう。さらにブラッシュアップを加えるという方法もあります。データの変化もなく、施策の効果がなかったと考えられるなら、未来のデータに向かって、新しい施策を追加していくのです。

 また、市場環境の変化によって起こる原因への「対策」についてです。市場環境の変化(例えば為替が大きく動いた、法律が変わった等)は自分たちの力で起こすことはできません。ただし、市場環境の変化が起こったときに自分たちの手でその変化に対応することはできます。市場環境の変化には「対策」でカバーをしていくのです。できるだけ「最速で」対応することができれば、競合他社に対して大きな武器になります。

 施策をおこない、市場環境の変化への対策をおこなって未来のデータを迎えます。ここでは過去のデータと現在のデータの比較と同じことをおこないます。現在のデータと未来のデータの比較をし、そのデータの変化をみるのです。当然、未来のデータを抽出できる頃には、現在のデータは過去のデータとなり、未来のデータは現在のデータになっているはずです。

 ここからは始めにおこなったことと一緒です。現在のデータと未来のデータの変化をみつけ、それが自分たちが起こしたアクションによる変化なのか、もしくは自分たちが起こしたアクションではないけれども市場環境の変化によるものなのか、これを検証していくのです。以後、この行動の繰り返しになります。

 まとめると、

1.過去のデータと現在のデータを比較し、その変化を見つける。

2.データの変化の原因を検証する。自分たちのアクションによるものか、それとも市場環境の変化によるものなのか。

3.未来のデータに向けて、「施策」と「対策」を考え、実行する。

4.現在のデータと未来のデータを比較し、その変化を見つける。

5.データの変化の原因を検証する。自分たちのアクションによるものか、それとも市場環境の変化によるものなのか。

 上記1~3をぐるぐると繰り返していくことになります。これがデータ活用、データ分析、データを読む、ということではないかと思います。

 ITシステムの成長により、様々なデータを取得することが容易になりました。また、大容量のデータを集計することも短時間でできるようになっています。一見すると、データ活用とは「データを集計して、見る」ところにあるように感じますが、実はそうではありません。

 ここまでご紹介してきたとおり、データを活用することの本質は、「データの変化の原因を検証する。自分たちのアクションによるものか、それとも市場環境の変化によるものなのか」ここをきちんと整理するところにあるのです。「自分たちがやったこと」「市場で起こったこと」をきちんと書き残しておく習慣こそが、データ活用において最も大切なことです。

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2 コメント

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