著者:石田 麻琴

インターネットを活用して、既存事業の成果を上げよう。前編【no.0932】

 インターネットの活用というのは、ともすると会社にとって迷惑な話だったりします。まあ、会社にとって迷惑というよりも、特定の部署とか特定の人間にとって迷惑という感じですね。

 ネットショップだとよくあるのが「実店舗の売上が取られるから」というもの。ネットショップを立ち上げることによって、実店舗で購入されていた(されるはずの)お客様がネットにいってしまうと思われると、ネットショップ部門が敵視されることになります。なぜなら、担当者の目標は実店舗の売上を上げることですからね。

 社内で新しいことをはじめる、その新しいこととしてWEBの活用をはじめる、という会社も多いと思います。新規事業、新しい取り組みというものは、多くの場合、既存事業の担当者から嫌われる運命にあります。ブレスト的なワイガヤの会議が多い、外に出てリサーチする仕事が多い、すぐには成果に繋がらないことから、「あいつら、遊んでない?」と思われてしまうのですね。

 まあ、インターネットの活用って、こんな感じで、社内からの反対勢力が大きかったりします。既存の枠組みを壊す存在なんですよね。これはひとつの会社に限った話ではなくて、社会全体で見ても、既存の枠組みを壊しているのはわかると思います。

 自分はインターネットを使って既存の枠組みを壊したサービスを利用しているのに、自分の仕事では既存の枠組みを壊されるのは嫌だと。まあ、人は誰しも自分勝手ですからね。(こんなこと言っちゃいけないか)

 とはいえ、ネットショップであれ、WEBサービスであれ、またWEBサイトを活用するのであれ、会社において本当のデジタル化を進めていくためには、全スタッフの協力が必要になります。ネットの担当が制作会社にかっこいいホームページを依頼して、SEO対策してリスティング広告をかけて・・では、ビジネスは成り立たない時代になっているのです。

 部分最適を目指すテクニックの時代は終わって、全体最適でマーケティングを進めていかなければいけない時代ということですね。ですから、「会社として」インターネットのマーケティングを推進していくことが大切です。「なんか、そういうことやってる部門があるらしい」はダメですね。

 ここからはインターネットを担当する側になった人の話。こういった反対勢力・抵抗勢力に対して、どうやって対応していけば、社内の協力体制をつくれていくのでしょうか。

 最悪のパターンは、「新しいこんな取み組みをやることにしました(突然)」「既存事業のみんなもこういうこと手伝ってください(いきなり)」・・しかし結果が出ない、もしくは結果が出るのに時間がかかる。待ちきれない。もう手伝うのやめよう、となる。最初の一回目は「イヤイヤながらも」「疑いながらも」協力してくれるのですが、二回目は無い。逆に足を引っ張りだすパターンですね。

 どっちが悪いわけじゃない。どちらかというと、この場合は既存スタッフの側が悪いのかなと思いますが、新しいことを始めるってのは社内の激しいストレスにも耐えないと続けていけないわけです。ほとんどの場合、結果が出るのは、ずっと後の話でしょうから。

 インターネットの活用方法って様々あると思うんですが、「じゃあ、何から取り組んでいこうか?」と考えたとき、安パイなのは「既存事業にプラスになることからやる」ではないかと思います。既存事業のメンバーの成果がよりアップすることなら、彼らも喜んで協力をしてくれることでしょう。(最初は疑うでしょうが)

 インターネットを使ってどんなサポートができるか、次回から考えていきたいと思います。

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