昔、松下幸之助さんの講演でこんなことがあったらしいんですね。
松下幸之助さんの講演が終わって、質疑応答の時間になりました。ひとりの女性が手を挙げて、質問をしたんですね。「私はいまの仕事を成功させるためにあらゆる手を尽くした」と。「あらゆる手を尽くしたんだけれども、どうしても上手くいきません。松下さん、私はどうすればいいのでしょうか?」。そんな質問だったらしいです。それに対する松下幸之助さんの回答だったのですが、
「努力が足りんのじゃ」
というひと言で終了、だったらしいんですね。そんなエピソードでした。
まあ、私は松下幸之助さんではないですし、こちらの女性も相当な努力をした後で松下幸之助さんに質問をされているとは思うのですが、少々達観した言い方をさせてもらうと、結果が出ないのは「単にやっていないから」というのがほとんどではないかと思います。
例えば、ビジネスをしている人の多くが悩むのが集客だと思います。新しいお客様にどうやって知ってもらうか、どうやってアポイントを取るか、みたいな仕事は一番シンプルで一番重い永遠の課題です。「どうすりゃいいんだー、どうすりゃいいんだー」と悩まれていたりするんですけども、考えてみればいくらでも方法はあると思うんですよね。
だって、駅前でチラシ配ればいいじゃないですか。もしくは、大手町とか丸の内とか神田のオフィス街を回って、1階から最上階までチラシを配ってくればいいじゃないですか。でもそこに、「成果が期待できない」とか「費用対効果が悪い」とか何かしらの理由をつけて、選択肢から外してしまっているだけなんですね。
なので、「やれること」って無限にあります。「チラシを配る」ということについては「1つ」かもしれないけども、「チラシをどこで配るか」「チラシにどんな内容を載せるか」という工夫を考えれば、その選択肢は無限になっていきます。やっぱり「単にやってないから」はウソじゃありません。
成果を出すために「やること」は決まっているし、「やれること」は無限にあります。実はそこに迷いがあったり、やることがわからなかったりってことはなくて、本当の問題は自分がやっていることがすぐには効果が出ないので「このまま進んでいって大丈夫なのか」そこに対する不安なのではないでしょうか。この自分に対する「疑心暗鬼」がビジネスを成功するための最大の課題、というわけです。
自分がやっていることが正しいのか。はたして自分が望んでいるような結果がでるのか。結果が出るとすればそれはいつになるのか。それがまったくわからないからこそ、人は自分自身を疑い、歩みを止めてしまうんですよね。「たぶん、この方向に進んでいっても上手くいかない」だろう、と。だから、中途半端にやめちゃう。そして、その中途半端にやめちゃうのを何度も繰り返しちゃう。もちろん、本人的には十分にやりつくした気持ちだったりするんですけどもね。
昨日(3月1日)のブログでも書きましたが、お客様はお客様のタイミングでしか商品を買わないですし、お客様に自分の考え方が「伝わる」までには恐ろしいほどの時間がかかります。だから、多くの場合は「自分が我慢できていない」のが上手くいかない理由で、コンテンツが悪いわけじゃないんですね。大切なのは、「時間がかかる」ことを自分自身にしっかりと理解させることなんだと思います。
だからやっぱり重要なのは「継続」すること。続けるためにはどうすればいいか、続けるためにどうできるかを考えて実践し続けること。ここが大前提としてあれば、いばらの道もきっと突破できることでしょう。
おわり。