(ぜひ其の壱から順番にお読みください)
「広島カープがFAで主力選手を獲得するためには・・?」其の壱
「広島カープがFAで主力選手を獲得するためには・・?」其の六です。
■企業データを使って、営業を最適化する‥!
年間シートを法人に買ってもらうため、営業の最適化のためにデータ分析を使います。まず法人IDをキーにした企業データ、そして購入データの2つのデータベースを作成します。スパイスとして入れたいのが、各企業へのアンケートです。年間シートを何に利用しているのか、どのように活用しているのか、これを年間シートの継続年数が長い企業や購入席数の多い企業にインタビューしていきます。
社員の福利厚生のためにみんなでシェアしているだとか、取引先企業への接待として活用している、などの情報があると思います。必要なのはさらなる深堀りです。マエケンや野村投手が先発ピッチャーのときは女性社員がチケットを欲しがるとか、堂林選手が出てきてから福利厚生を活用する社員が増えたとか、製薬会社であればお医者さんにチケットを差し上げるのかもしれないし、一緒に観戦することが多いのかもしれない。一緒に観戦する際にはビールを飲むこともあるだろうが、もしかしたらアルコールは無いかもしれない。お弁当も接待する側が用意しなくてはいけないかもしれない。などなど、実際の年間シートの活用にまつわる情報がたくさん入手できると思います。
■「人のノウハウ」をデータでフォロー。全体の底上げができる‥!?
これは優秀な営業が行うこととして当然のことかと思いますが、この情報を企業データに入力し、「どんな属性を持つ企業が、年間シートをどのように購入し、どのように活用しているのか。そして、チケット利用の際に付随して起こっている事象は何か」を検証していきます。向かいたい方向としては、営業アプローチの1to1化です。データからより年間シートを購入してくれる可能性が高い企業を判別し、その企業に最適な提案書を作成する、ということですね。もちろん、その成果は日々の数値管理で判断し、営業アプローチの精度を高め続けていきます。
一般の座席が埋まってもいいですし、年間シートを拡大していくのでも、どっちでもいいですよね。とにかく重要なのは、現在余ってしまっている9,000席を毎試合どうにかして埋めていくことです。データを見れば「テコ入れ」するべきポイントはわかりますが、「何をすれば改善するか。数字が上がるか」までははっきりわかりません。仮に「改善しそうだ。数字が上がりそうだ」は定性的に何となくわかっても、「どれくらい改善するか。どれくらい数字が上がるか」の定量的なものはやってみなくてはわかりません。ここは日々の成果検証力をつけることで、施策をブラッシュアップさせていきたいところですね。
■広告収入はコントロールできない‥!?
チケット売上の話で長くなり過ぎましたが、プロ野球団のもう1つの柱は広告収入でしょう。マツダスタジアム球場での社名掲載の広告や、オーロラビジョンでの広告、広島カープ主催イベントへの協賛、といったところだと思います。あと、大きいのがテレビの放映権ですね。残念ならが、このあたりは正直、私なんて素人はまったくわからないです。そして、広告収入とテレビ放映権を上げるためには、という課題を挙げられたとしても、広告収入を上げるためには「マツダスタジアムが常に満員であること」、テレビ放映権を上げるためには「広島カープが強くなること。人気になる選手を育てること(もしくは他球団から獲得すること)」という話になってしまうので、広告収入(スポンサー収入)とテレビ放映権を上げられるようになるのは最後の方。チケットの値段を上げるのが本当の最後なので、その手前、ということになります。
入場チケットの料金、広告収入、テレビ放映権とくれば、最後は飲食、グッズなど物販でしょう。チケット売上の話が思いのほか長くなってしまったけど、本当に言いたいのはここだった。売上をつくる三本の柱は、コンテンツ・広告・物販。物販に力を入れるべき理由を次回から書かせていただきます。
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