著者:石田 麻琴

広島カープがFAで主力選手を獲得するためには?十【no.0060】

(ぜひ其の壱から順番にお読みください)
「広島カープがFAで主力選手を獲得するためには・・?」其の壱

 「広島カープがFAで主力選手を獲得するためには・・?」其の十です。

■成果を判断する「軸」をどこに置くか、それが重要。

 「グッズを買ったことがない人にグッズを買ってもらう」ため、そのアプローチをした際の成果を判断する「軸」をどこに置いておくか、それが重要です。前回のブログでは公式グッズを扱うネットショップでの「新規購入者の数」で成果を判断する方法。球場の中に、初めてグッズを買う方専門の売店を設け、そこでの「決済数(購入件数)」を成果の判断材料にする方法。この2点を書いてみました。他にもありそうですね。

 成果を判断するための「軸」が決まったところで、既存データの収集です。其の八でも少し触れました。最初に来場者のパターンを分けること、性別・年齢層・来場の動機でお客様の像を明示していきます。いわゆるペルソナみたいなものです。過去の既存データを活用できるならば、この時点で各パターンがどれくらいの割合になりそうかを想定しておくと良いと思います。どこに重点的に力を入れてマーケティングを施すかが明確になりますからね。ここでも、やはりリアルの世界っていうのはデータが取りづらいので中々苦労すると思います。性別・年齢層くらいまでで仕方ないのかもしれませんね。

■ネットショップであれば成果の判断指標が取得しやすい‥!

 このパターンの主要なものから、グッズの初回購入注文データと当てていきます。もうこのあたりだと、ネットショップを介さないとデータの取得が難しくなってくるので、思い切って成果の判断指標として「ネットショップでの新規購入者の数」としてしまいましょう。性別・年齢層などで分けたパターンに対して、過去のグッズの初回購入データを当て、各々パターンによってどのような傾向があるかを探るわけです。

 この場合のストーリーはこうです。何らかの理由で広島カープの主催試合に来場する→試合を楽しむ→自宅に帰って広島カープのネットショップを見る→初めてグッズを買ってしまう。こんな感じです。当然、試合に来場する前にグッズを買ってしまうことや、試合が終わった直後に売店でグッズを買っていく可能性もあるでしょう。しかし、このストーリーの中では全く無視します。売店の売上が上がっても「それは良かったね」のひと言で終了です。あくまで本筋はネットショップでグッズ購入の初体験をしていただくこと。そうじゃないと、アプローチに対する成果が検証できないからです。何度も書いている通りです。

■軸とストーリー、施策を考えるのは最後です‥!

 「グッズを買ったことがない人にグッズを買ってもらう」という目的のために、成果を判断するための「軸」ができました。「何らかの理由で広島カープの主催試合に来場する→試合を楽しむ→自宅に帰って広島カープのネットショップを見る→初めてグッズを買ってしまう」なんていう、ストーリーもできました。そして、初めて広島カープの試合を観戦する(もしくは何らかのきっかけで広島カープに興味を持つ)ペルソナを設定し、過去のデータから「どんな属性の人が、どんなタイミングで、どんな商品を初回購入してくれるか」も想定できるようになりました。ここまで考えて、初めてどんなアプローチ、つまり施策を行っていくかです。施策の決定は最後です。

 本筋は「何らかの理由で広島カープの主催試合に来場する→試合を楽しむ→自宅に帰って広島カープのネットショップを見る→初めてグッズを買ってしまう」ですから、そこに対して何をすれば良いか、さらには各パターンのペルソナに向けてどう施策の見せ方を変えていけばいいか、様々な意見やアイデアが出るでしょう。どの施策を選択するか、は重要ですが、はっきり言って「どれを選択すれば結果が出るか」はわかりません。何度も何度も素振りをして、はじめてヒットやホームランが打てるようになるわけなので、ここは経験と勘しか選択をする基準はないです。

「何を選択するか」最終的にはそこ(経験と勘)だと思いますが、「選択したことが良かったか」は理論で解決が可能ですよね。成果を判断するための「軸」を最初に決定したのはそのためです。これが、広島カープのグッズ売上を加速的に「必ず」あげていくためのポイントだと思います。

続きはこちら。
「広島カープがFAで主力選手を獲得するためには・・?」其の十一