Eコマース(ネットショップ)における、お客さんの購買行動を考えてみましょう。つづきです。(前回はこちら)
さてさて、ここまでショッピングモールにおけるお客さんの購買行動について考えてきました。まずは検索があり、商品の検討があり、商品の比較があり、ネットショップの比較があり、さらにショッピングモール(もしくは自社サイト)同士の販売チャネルの比較があります。このような様々なハードルをくぐり抜けてきた末に、ネットショップのアクセス数がカウントされ、ネットショップの売上にカウントされていくわけです。
つまり、あなたのネットショップのデータに落ちてくる前に、お客さんは様々な動きをしているということです。Eコマース事業を成長させるためには、この「自社のデータに落ちてこない範囲」に対しての対策をおこなわなくてはいけません。商圏のない世界に、どうやって網を張るのか、ということです。
では、ショッピングモールではなく自社サイト(独自ドメインサイト)におけるお客さんの購買行動を考えてみましょう。
新しいベルトが欲しいAさん。「あー、いまのベルトもへたってきたし、新しいベルトを買おうかな~」と思ったときに、GoogleやYahoo!の検索で「ベルト」って検索しますかね?もしくは、「ベルト メンズ」って検索しますかね?残念ながら、すでにそんな方はいないと思います。(Googleショッピングが盛り上がらないわけです)
新しいベルトが欲しければ、まずはショッピングモールでベルトを検索します。楽天市場、ヤフーショッピング、Amazon、ポンパレモール・・。商品を探すために、GoogleやYahoo!で検索が行われることはありません。ただし、ショッピングモールで「ピンとくるベルト」が全くもって見つからなかった場合は別です。GoogleやYahoo!の検索まで流れてくる可能性はあります。
もしも、GoogleやYahoo!の検索から自社サイトのネットショップが探される可能性があるとすれば、それはお客さんが「商品」ではなく、「情報」を探している場合でしょう。「新しいベルト買おうかなぁ~」の目的がさらに深くなり、「メンズベルト専門のブランドってあるのかな?」「冠婚葬祭に使うベルトって金具は付いていて大丈夫なのかな?」という「課題」をもったとしたら、これは「商品」ではなく「情報」をGoogleやYahoo!の検索で探すはずです。
その結果、自社サイトのネットショップにいきつく、ことになります。
自社サイトは商品軸では探されません。情報軸で探されることになります。ここがショッピングモールとの違いですね。インバウンドマーケティング、コンテンツマーケティング、オウンドメディア・・これらは情報軸での検索に対応するためのものです。一部のブランド認知がある企業以外は、WEB上に自社メディアをもっておいた方が良い理由がここにあります。
自社サイトでの一本立ちを目指すのがEコマース事業の成長として理想的ですが、ポッと作ったネットショップが成功することはありません。面白い商品を売っていたとしても、お客さんに知られなければ売れることもありません。
自社サイトでアクセスを集めるためには、一般的なブランド認知(お客さんの方から勝手にサイトに来てくれる)、顧客リストを使っての送客(自社サイトでは新規を集めない)、情報軸でのコンテンツ拡充(お客さんの課題にヒットしてもらう)、この3つのうちのいずれかが必要になるというわけです。
まずはネットショッピングをおこなうお客さんの購買行動として、ショッピングモールは商品軸、自社サイトは情報軸で動いていることを押さえておいてください。あとは、自社の商材、ブランド、戦略がどちらにマッチしているか、です。
おわり。
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