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販路はWebでも、人に会って業界の知識をつける。【no.0239】

 先日のBPIA/Webビジネス研究会は、私にとって非常に学びが多い時間でした。

 Webビジネス研究会は、BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会)の7つある研究会のひとつです。2011年の12月からスタートして、2ヶ月に1度(厳密にいえば年5回)のペースで研究会を開催しています。先日、BPIA会員企業であるPwC(プライスウォーターハウスクーパーズ)の会議室で行った研究会は、第14回目の研究会でした。私石田がナビゲータ(コーディネータ的な役割)を担当しています。

 研究会の内容はゲスト講師の講演と質疑応答です。お招きしたゲスト講師に事業をスタートしたバックグラウンド、市場・業界の環境とその変化、サービスの取り組みと方向性などを1時間半お話しいただき、参加者との質疑応答やディスカッションを通じて、ゲスト講師と参加者の両方が知見を深めていく、という内容です。また、研究会後には1時間の懇親会の時間が設けられており、引き続きゲスト講師への質問や、参加者同士の名刺交換・情報交換を行ってもらうことで、人脈と知識を広げていきます。

 第14回のゲスト講師にお招きしたのは、株式会社訪問美容サービスの代表取締役最高共同経営責任者である高橋一成さんでした。株式会社訪問美容サービスは、介護施設向けの訪問美容サービスを行っています。会社の名前そのものですね。介護施設に美容師を派遣して、利用者の髪をカットするというわけです。介護施設の他、在宅への訪問美容も行っています。

 高橋さんの1時間半のプレゼンテーションには私からすると「ノウハウ」と思われるものがたくさん含まれていました。高橋さんに指摘すると「自分では当たり前だと思ってるので、気づかなかった」とのことですが‥。詳しくは書けませんが、営業のアプローチをする際、どのような特徴がある介護施設を狙っていくか、決済者はどこにいるのか、お金の出どころはどこなのか、営業の実践を繰り返していないとわからない「ノウハウ」が詰まっていました。

 高橋さんの話で特徴的だったのが、この「ノウハウ」が生まれる源泉でもある、業界の知識の深さでした。高橋さんご自身がヘアサロンの運営会社に勤務していたるため、ヘアサロン・美容・美容師の業界については当然詳しいですし、「髪を切る」側の業界だけではなく、美容師を受ける側の「介護施設」の業界にも非常に詳しいということです。講演の6割以上が業界の現状と課題のお話、高橋さんご自身の紹介と事業の紹介であとの4割というような感じでした。

 高橋さんのお話を聞いて感じたことです。サイトにお客様を集客して、サービスを利用してもらう。もしくは問い合わせや資料請求をいただく。Webビジネスのビジネスモデルというと、Webサイトのインターフェイスやユーザビリティ、開発体制、レスポンス、チャネル展開、メディア活用などの話をすることが多いですが、果たしてサービスを提供する業界のことを詳しく知っているのか、ということです。例えば、ネットショップで食品を売る。他に特化しているショップがなければ勝てる可能性はありますが、食品業界のことはどこまで知っているのか。「他にないから」だけで、後はインターネットの力頼みになっていないか。そこに、「Webの危うさ」があるのではないか。

 そのためにはやはり、人に会うことです。訪問美容サービスはインターネットでの介護施設からの問い合わせ、美容師の募集を行っていますが、営業のほとんどは電話でのアポイント、人と会って話すことに重きを置いています。その積み重ねが、業界の現状と課題を知ることの土台になっているのでしょう。あくまでWebはツールのひとつ。Webでサービスを売りたいならば、きちんとしたリアルとの接点を持ち、業界を地道に学んでいくことが重要だと感じました。

 サービスのプレゼンでも、業界の話が全く出てこないところって多いからなぁー。

 2日連続、自戒を込めて‥。

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