販売分析は3つの視点おこない、次の施策に繋げる。ネットショップの規模別の課題「月商100万円」のフェイズで重要な視点です。
前回は、月商100万円のフェイズになると自営から経営のネットショップに変わっていくこと。そしてアクセスや受注が安定することでデータの取得と分析がやりやすくなること。この2つを課題として挙げました。特にデータ分析については、まず成果(売上)のキーになる数字から押さえていく。そしてそれが習慣化してからデータの集計に入っていくことが大切です。そこで最初に紹介したのが「商品別、商品カテゴリ別の販売実績表の作成」でした。
販売実績表をデータ分析の原理原則に則って活用する
さて、「商品別、商品カテゴリ別の販売実績表」についてです。こちらは商品別のものと商品カテゴリ別のものの2つの作成が必要になります。また各々について、「売上」と「販売件数」を降順で並べたシートを用意することになります。「商品別×売上」「商品別×販売件数」「カテゴリ別×売上」「カテゴリ別×販売件数」の4つが必要になります。ここまでやらなくてもいいですが、1シート1目的の基本として認識してください。
それでは販売実績表をどうやって活用するかです。集計したデータはそれ自体では、あまり意味をなしません。データ分析の原理原則にのっとり過去のデータと比較を行うことが活用の軸になります。そこで当月の販売実績表との比較を行いたいデータが3つあります。ひとつは前月の販売実績表。もうひとつは前年同月の販売実績表。そして最後に前年翌月(同月の次の月)の販売実績表。この3つです。
前月、前年同月、前年翌月の販売実績表をみる
まずは、当月の販売実績表を前月の販売実績表と比較しデータの変化を見ます。大きく数字が変わったところについて、「なぜ数字が変化したか」を話し合います。これは下がったデータより、上がったデータに次へのヒントがあるケースが多いです。まず上がったデータを中心にしてウォッチしていきましょう。
次に、当月の販売実績表と前年同月の販売実績表を比較します。こちらは1年間の施策を思い出すのは無理ですし、それをやる必要もありません。ひとまず全体的な動きのトレンドだけを見てください。1年前も売れていて、今も売れている商品はあるか。1年前は売れていたけど、今は実績表から消えてしまった商品はあるか。そこには様々な商品があるはずです。
最後に、前年同月の販売実績表と前年翌月(同月の次の月)の販売実績表を比較します。当月の販売実績表と前年同月の販売実績表の比較ではありません。注意してください。この前年同月と前年翌月という過去の2つのデータの比較で何を予測するのか。それはこの先1ヵ月でどんなことが起こる可能性があるかです。
原因、トレンド、予測される流れを考える
上記3つを行うと、「次に何をやるか」を決定するための仮説を立てることができます。当月と前月を比較しその「原因」を考える。そして当月と前年同月を比較し「トレンド」を考える。さらに前年同月と前年翌月を比較し「予測される流れ」を考える。結果、翌月の「結果」を生むための「原因」を考え、実践するわけです。翌月も「商品別、商品カテゴリ別の販売実績表の作成」を行い、比較を繰り返します。
慣れればさしたる作業ではないですが、慣れるまでが大変です。少し時間がかかるかもしれません。まず「当月と前月の比較」からなど条件を絞って続けていきましょう。とにかく、まずは続けること。これに尽きます。自社のキーになっているだろうデータを予測し、ポイントを深掘りしていきましょう。
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