(前回のコラムを読まれていない方は、まずこちらからお読みください)
石田さんは悩んでいました。
*悩んだ末に変更した新しい方針とは?
B美さんは有名になった、B美さんの認知が上がるにつれて、マイドルの人気投票オーディションも知られるようになった。でも、もしもB美さんがいなくなったら、マイドルはどうなるのだろうか・・。
石田さんは、B美さんを中心としたマイドルのグループ「B美とマイドルズ」を結成することにしました。メンバーはB美さんと、マイドルのアイドル候補生の中から2名を選ぶことにしました。
マイドルサイトのデータから、マイドルズに選ばれそうな候補メンバーは何となくわかっていたのですが、より話題性が高くなるように、あえて新しい人気投票をすることにしました。B美さん以外の候補生499人全員がさらにマイドルズのオーディションに出ることになります。
マイドルズのオーディションを始めるにあたって、石田さんはあることを考えました。今まで、マイドルのサイトのデータから、アクセス人数や投票数・コンバージョン率・ユーザーのサイト滞在時間・ページ閲覧数・新規・リピートの比率・参照サイト・検索キーワード・利用端末・直帰率・ページ別アクセス数などを毎日把握していたのですが、マイドルのサイトにアクセスしてくれているユーザーさんがどんな方か、全くわからなかったのです。
それに気づくと、石田さんはアチャーと頭を抱えました。
*新しいオーディションのために2つの施策を行なう
そこで、石田さんはマイドルのオーディションを開催するにあたって、2つの施策をほどこすことにしました。
1つは、マイドルズの投票をする際にユーザーはマイドルズ会員IDをつくり、会員はいくつかのアンケートにこたえなくてはいけないこと。もう1つは、マイドルズのオーディション結果はオンライン上での発表ではなく、水道橋ラグーアでの発表にすること。この2つです。投票の際にアンケートにこたえたユーザーの中から抽選で水道橋ラグーアでの結果発表イベントに参加できるようにしました。
マイドルズのオンラインオーディションは大いに盛り上がり、結果発表の日を迎えることになりました。投票の際に、ユーザーに会員IDをつくってもらったことによって、マイドルサイト上でのユーザーの行動履歴を追えるようになりました。会員IDをつくったユーザーは、1日に1度はマイドルのサイトにアクセスしている(しかもB美さんのブログページに80%以上がアクセスしていた!)いわばロイヤルカスタマーの方々です。そして、石田さんが水道橋ラグーアで行われる結果発表イベントに呼んだのは、実は・・
データを元に抽出されたB美さんのファン100人だったのです。
*なぜB美の熱狂的なファンだけをイベントに呼んだのか
これはB美さんを除いた499人の中から2名を選ぶためのオーディションです。ユーザーにはマイドルズを選ぶために、会員IDを取得してもらいアンケートにもこたえてもらいました。そして、水道橋ラグーアでのイベントも、マイドルズの結果発表がメインのイベントです。それでも石田さんは、会員データからB美さんのブログに頻繁にアクセスしている人だけを100人チョイスして、その100人をイベントに呼ぶことにしたのです。彼らはマイドルズのために会員IDをつくったユーザーではありません。
石田さんの考えはこうです。マイドルズ2名を選ぶオーディションがいくら盛り上がろうと、マイドルの中で圧倒的に人気・知名度があるのはB美さんだ。マイドルズの2名は、候補生499人の中から選ぶのではなく、B美さんのファンが支持する候補生の中から選ぼう。B美さんという、この芸能事務所の「尖がり」をより明確にするためにも、B美さんのファンが「第二のB美さん」と思っている候補生をマイドルに選ぼう、と。
マイドルズオーディション、そしてこの結果発表イベントでさえ、マイドル芸能事務所のマーケティングの一環だったのでした。
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