成功しやすいEコマースって、どんなネットショップ?(前回はこちら)
第1回・第2回のブログで「Eコマース事業を成功させるための6つのポイント」を紹介しました。第3回・第4回で、もっとも成功確率が高いネットショップとして、「リアルの世界でブランドがある小売り」を挙げました。そして前回、第5回で「リアルの世界でブランドのない小売り」が成功するためのポイントとして「商品・サービスが作れる」ことと、「リアルで認知される場を持っている」ことを挙げました。
「商品・サービスが作れる」ことについては前回のブログで説明をしたとおりです。マーケティングの原理原則として、「仕入れ小売り」はボリュームを出すことができる「大資本」が圧倒的に有利に立ちます。「最大手の1社」以外が向かうべきは、お客様を絞り、「違い」のある商品・サービスを提供する方向です。
「違い」がないならば、「違い」を作らなくてはいけません。もし、「違い」を作るのが面倒だというなら、それは「市場からの撤退」を意味します。「商品・サービスが作れ」なければ、適正価格で商品・サービスを売り、適正な利益を上げることができなくなってしまいます。
もうひとつ。「リアルで認知される場を持っている」ことです。これは、「実店舗を持っている」でも構いませんし、「カタログを以前から配布している」でも構いませんし、「雑誌・テレビ等のメディアに強い」でも構いません。大切なのは、商品・サービスの「潜在顧客」にリーチする場を持っているか否か、ということです。
世の中には、「あなたの会社が提供している商品やサービスを知らない。でも、あなたの会社の提供している商品やサービスで解決できる課題を抱えている」という人が山ほどいます。このような「潜在顧客」にいかにしてリーチし、商品やサービスの利用を比較検討してもらえる「見込顧客」に引き上げ、そして「新規顧客」になってもらうか。これが、マーケティングの重要な流れであるわけです。
「ネットショップにお客様を集めるならインターネットで」と考えがちです。しかし、インターネットというものはユーザー(お客様)の「目的」によって成り立っています。「〇〇が欲しい」「××がしたい」「△△って何だ?」という「目的」から入ってきますから、リアルの広告媒体やメディア、実店舗のように「なんかの拍子でたまたま知った」が非常に起こりにくいのです。「潜在顧客」へのリーチがしずらい市場であるとも言えます。
「リアルで認知される場を持っている」事業者であれば、この「なんかの拍子でたまたま知った」をカバーすることができます。逆に、インターネット専業でサービスを行っている会社は、ここが厳しいところです。ネットショップもWEBサービスも、半永久てきにWEBサイトは増えていきます。インターネットの世界には、土地という概念も商圏という概念もないわけですから。ここが「リアル」を持っている会社が有利である点です。
「商品・サービスを作れる」「リアルで認知される場を持っている」。この2つの要素をもっていれば、Eコマース事業の成功確率が高いといえます。この2つの事業者に欠けているのは「小売りとしてのブランド」です。ここは、時間をかけてしっかりと作り上げる必要があります。大切なのは「時間」です。広告宣伝で瞬発的に「ブランド」ができるなんてことはありません。
これからEコマースを始めるならば、「商品・サービスを作れる」「リアルで認知される場を持っている」の最低でもいずれかの条件は満たしたいところです。「インターネット専業の小売り」でのネットショップチャレンジは、コンサルタントとしては「やめといた方がいいかも」と言わざるを得ません。
おわり。