著者:石田 麻琴

大切なのは「徹底」。こちらが飽きていても、お客様にはまだまだ伝わっていない【no.0850】

 前回のつづき。(前回のブログはこちらから

 「アクセスが多く、転換率も高い商品」、つまり「ヒット商品」の種火が見えてきたら、Eコマースサイトにきたお客様をどんどんその商品に落とし込んでいきます。いやらしいほど、徹底的に落とし込んでいってください。

 お客様がネットショップに接してもらう中で、この商品の商品ページを見ずに離脱してしまったら「ネットショップの敗北」くらいの気持ちで、過剰なくらい徹底します。大丈夫です。ネットショップの運営担当者が「しつこくないか?」と思うくらいでは、お客様は気にもかけませんから。

 ヘッダーのおすすめ商品に掲載します。サイドナビのランキングに商品を掲載します。フッターの売れ筋にも商品を掲載します。新作の商品ページや新しい販促企画でも「こちらもチェック!」と商品を掲載します。メールマガジンでも、必ずどこかにその商品を掲載します。

 人はコンテンツを知り、その後にブランドを知ります。ブランドを知り、コンテンツを知るわけではないんですね。

 私たちがユニクロを知ったきっかけは、「フリース」なり「ヒートテック」なりであったはずです。私たちがジャニーズ事務所を知ったきっかけは、「光GENJI」なり「SMAP」なりであったはずです。ブランドはコンテンツをきっかけにつくられていきます。

 もしコンテンツをブランドより先に知る機会があるとすれば、世間一般ですでに十分なブランド認知がある場合のみです。ブランドを目指す世の中の99%の会社は、コンテンツを知ってもらうことからスタートするのです。

 ネットショップの場合、リアルビジネスにも増してコンテンツ(=商品)が重要です。お客様はショップのトップページから入ってくるのではなく、商品ページから入ってくることがほとんどですから、アクセスが多く、転換率も高い「ヒット商品」を徹底的にアピールすることで「大ヒット商品」に繋げていかなければいけないわけですね。

 ここからネットショップを「ヒット商品」を軸にして展開を進めていきます。「ヒット商品」を購入したお客様がどんな方かをマーケティングすれば、そもそもどんな方にアプローチすればいいかが見えてきます。また、「ヒット商品」を購入したお客様が次に何を買ったのかをマーケティングすると、商品企画/商材開拓をしたほうが良さそうな商品が見えてきます。

 「ヒット商品」を軸として、2番目に購入するもの3番目に購入するものを提案していく。同時に、「ヒット商品」を「大ヒット商品」に育て上げ、軸自体をどんどん太くしていく。そんな流れです。

 まずはこの流れに取り組んで、ひとつの「成功パターン」を作り上げたら、さらなるフェイズです。この「ヒット商品」の軸を「何本持てるか?」。ここがネットショップ拡大のポイントになります。この軸の本数が増えるにつれて「軸の本数=売上」というようにEコマース事業は成長していきます。

 この「軸」は、「ヒット商品」でも構いませんし、「ヒットコンセプト」でも構いません。同じネットショプに複数の軸があっても構いませんし、軸ごとにネットショップを別にしても構いません。ただ、現状のEコマース市場の流れからすると、後者の「軸ごとのネットショップ」の方が選択としてはベターだと思います。ここは私見です。

 とにかく、大切なのは「徹底すること」です。こちら側が「飽きる」くらいの段階では、まったくお客様には伝わっていません。夢に見る、寝言でいうくらい「徹底」です。

 おわり。

 

2 コメント

  1. 商品ページの数値データを指標に「売れる商品」を育てていく。【no.0849】 | ECマーケティング人財育成 | ネットショップ事業と人材を共に育てる。

    […] […]

Comments are closed.