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大丈夫です。ネットショップ運営講座を用意しています。【no.0222】

 ネットショップのあるあるストーリー、その壱つづき。(前回はこちら

 鬼切社長からはじめて担当者に電話をかけると、数回コールをした後、受話器が取られました。担当者の対応は、特段申し訳なさそうでもない、いつもと同じ感じでした。
「あー、鬼切社長。すいません。しばらく連絡ができなくて。おにぎり水産以外にも、300店舗ほどネットショップを見ているんですが、そっちにトラブルが起こってしまって追われていました。どうですか、その後は。ネットショップ運営、頑張られていますか?

 ひと通り言い訳を話した後、意図的なのか先日の父の日の広告のことには一切触れず、情報交換といった感じで話しています。「先日の広告、ダメでしたね。すいません」といったような反応を期待していた鬼切社長でしたが、すでに過去の出来事のように流されているのを感じ、こちらから切り出しました。
「担当さん、先日の広告のことなんだけど!価格を980円から780円に落として販売したのに、300セットしか売れんかってんけど!最初のグルメ広告で1,000セット、母の日の広告も1,000セット。なんで780円に価格落として300セットなん!担当さん、これでいけるって言ったじゃないですか!」

 鬼切社長が腹に抱えてきた不満が一気に噴出しました。担当者に話しながら、自分でも火がついてしまっていたことに気がついていましたが、一度話し出してしまうともう止まりませんでした。担当者は鬼切社長が話している間、電話越しでジッと黙り込み、鬼切社長が話し終わると、ゆっくり言葉を選ぶように話し出しました。
「鬼切社長、申し訳ないですが、あなた、ネットショップをナメてないですか?いや、申し訳ありません。本来、このような表現を使うのは適切ではないと思うのですが、おにぎり水産のネットショップをもっともっと有名なお店にするために、愛を持ってはっきり言わせてもらいます。鬼切社長は、ネットショップをナメています。いま、おにぎり水産のネットショップをパソコンで開いてみてくださいよ。このページとこの写真でお客様が購入してくれると思いますか?父の日の広告に出稿した画像も、笹かまぼこが5枚並んでいるだけの写真だったじゃないですか?そこに工夫はありますか?確かに、私は広告をかけてお客様におにぎり水産のネットショップを利用してもらい、またランキングに入ることによって新たなお客様を集めよう、と言いました。はっきり言って、それは間違っていません。その証拠に、合計2,300セットの笹かまぼこが売れ、笹かまぼこランキングでも3位にまでなりましたよね?間違っていないはずです。むしろ、その広告の効果だけに頼って、ネットショップのサイトや画像や説明文を改善してこなかった御社に責任があるんじゃないですか?同じ手段がずっと通じるほど、ネットショップは甘くないですよ!」

 鬼切社長は頭をハンマーで強く殴られたような衝撃を受けました。確かに、一回目二回目の広告でそこそこ商品が売れたので、同じことを繰りかえして売上を取ろうとしていた。だけど、それは担当者が先に教えてくれても良かったことではないか。こっちはネットショップの素人だ。ネットショップの担当は事務の静子さんだ。サイトや画像、説明文を改善するといったスキルはない。本当に、本当に、自分が悪いのか‥?いろんなことが鬼切社長の頭の中を駆け巡りました。
「んじゃ、どうすりゃいいんじゃい!こっちはネットショップの素人じゃ!どうやればいいんじゃ!」

 鬼切社長が自暴自棄になってそう叫ぶと、担当者はひとつの解決策を提案してきました。
「鬼切社長、ご安心ください。そういう方のために、弊社ではネットショップを運営するスキルが学べる『ネットショップ予備校』という講座をご用意しております。そちらにご参加いただければ‥」
「その講座、いくらじゃい‥!!!」
「初級編は3日間の授業で、20万円でございます」

ツーツーツー‥

 その瞬間、鬼切社長は携帯電話をオフにしました。「どうすればいいんじゃ‥

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