基本的に、自分の会社の業績が悪くても、経営者は顔には出しません。
「最近厳しいんだよねー」くらいに言う人はいますが、「うち銀行から4,000万円借りてるんだけど今月の返済が滞りそうだからいろいろ理由をつけて仕入先への入金を1ヵ月飛ばしてもらった」くらいのことを表に出す人はいません。
また、「最近、円高だから厳しいわー」「アベノミクスは富裕層向けの対策だからねー」というようなことは言っても、「うちは商品がイマイチだからー」とか「はっきり言って、うちの社員は使えない。人材育成を間違えた」とか言う人はいません。
まあ、「外的要因を理由にして、内的要因を理由にしない」のは当たり前ですよね。経営者は「すべて自分か変えられる立場」なわけですから、内的要因を理由にするということは、「私は無能です。私は仕事をやっておりません」と言っているのと同じことになってしまいます。どちらにしても、あまり「言い訳」をいうことは感心しませんが。
(むしろ、「自分の努力不足です」とはっきり認める方が、気持ちいいかも。外的要因も、「想定しておく」という点では自分の責任範囲ですし)
そんなわけで、表では涼しい顔をしていても、身体から下はアッチッチという会社は多いのです。うちは売上が上がらない、うちはお客さんが来てくれない、うちの商品は売れない・・。そうならば、毎日ブログを書いてみてはいかがでしょうか。そんな提案です。
ブログと表現していますが、「いわゆるブログ」ではありません。いわゆるブログというと、「昨日、取引先の誰々さんと飲みに行った」とか、「近所の気になっていたレストランに行った、美味かった」とか「ディズニーランドでミッキーと握手した」とか、そういうのが思い浮かぶかもしれませんが、そういうものではありません。
「あなたの会社のサービスを使えば解決する課題を持っているけれども、あなたの会社のサービスのことは知らない」。そんな人たちに向けたブログです。つまり、課題解決を目的としたテキストコンテンツということになります。
例えば、身長160センチ以下の男性を対象にしたアパレルブランドAがあるとします。世の中には、自分の身体に合う小さ目の服がなくて困っている人がたくさんいます。(私もそのひとりです)。服を買おうと思ったら、ビームスとかユナイテッドアローズが思い浮かびます。でも、アパレルブランドAのことは知りません。このような課題を持っている潜在顧客に対して、テキストコンテンツを発信していくのです。
自社でWEBサイトをもっていたら、Googleアナリティクスを導入してください。Googleアナリティクスを導入してしばらく経ったら、「オーガニック検索キーワード」の成果を見てみてください。もし、オーガニック検索キーワード(=自然検索)にあるキーワードが「自社の会社名・自社のサービス名・自社の商品名」とそれに付随するものだけであれば、「あなたの会社のサービスを使えば解決する課題を持っているけれども、あなたの会社のサービスのことは知らない」潜在顧客を呼び込めていないということです。
もちろん、ユニクロやトヨタ、フジテレビやグッチ、読売新聞やナイキなど、十分に認知のある会社は除きます。こういった会社は「自社の会社名・自社のサービス名・自社の商品名」がインターネットで検索されていれば十分です。
逆にいえば、「自社の会社名・自社のサービス名・自社の商品名」ばかりでWEBサイトの流入が占められている会社は、発信を行うことでの伸びしろがまだまだあると言えます。
うちは売上が上がらない、うちはお客さんが来てくれない、うちの商品は売れない・・そういう経営者は、まず自ら自社のこだわりについて毎日ブログを書いてみてはどうでしょうか。地味で手間で面倒で、みんながやりたくない仕事を嫌がらなければ、まだまだチャンスはあるはずです。そして、地味で手間で面倒な仕事を避けているうちは、「私は本気です」とは言えませんし、「この人は本気だ」と思ってはもらえません。
おわり。