あの爪楊枝少年の動画は、結局どのくらいの再生回数に達したのでしょうか。動画広告も入れていたのかな。どれくらいの広告売上になったのでしょうか。すでにYouTubeとの口座は凍結されたと思われますが。
ヒカキンさんやマックスむらいさんなど、昨年から注目を集めているユーチューバーですが、今回起きたこの事件によって一気に表舞台に出た、といって良いのではないでしょうか。キャズムでいうところのレイトマジョリティの方も、ユーチューバーなんて仕事があることを、今回をきっかけにして知ったのでは?
爪楊枝少年の動画と共に、動画サイトに自作の動画をアップする理由、ユーチューバーが月にどれくらいの売上をあげているのか。テレビのニュースではそちらの方の情報も多いように感じました。これから先の「ユーチューバーの未来」について考えてみたいと思います。
まず、ユーチューバーなる者があらわれるきっかけとして、スマートフォン・タブレットの普及、ユーザーリテラシーの向上、通信速度の向上、このあたりがあると思います。スマートフォンで動画を閲覧する環境が整ったタイミングで、動画広告に目をつけた「ユーチューバー」があらわれたというわけですね。
著名なユーチューバーというと、前述のヒカキンさんやマックスむらいさんの他に、はじめしゃちょーさんやMEGWINさん(メグウィンって読むの?)、バイリンガールさんなどがいらっしゃるようですが、いずれの方も市場のフェイズとしては「需要>供給」のタイミングで参入できたプレーヤーということになるでしょう。もちろん、皆さんがユニークに富んでいる実力者であることは否定しません。
WEBサービスやネットショップと同じで、「需要>供給」のフェイズは、いち早く参入した事業者が儲かりやすい状態にあります。ただ、インターネットだと人気が偏りやすいので、すでにユーチューバーの中では勝ち組と負け組が出ているようですね。これがレンタルビデオ店とかだと、レンタルビデオ店がない地域に出店すれば「ひとり勝ち」の状態が続いていきますが、市場がWEBですからね。
ユーチューバーは参入障壁が低いです。初期コストは撮影備品だけ、スマホでもできるのでゼロに違いですし、ユーザーから問い合わせがくることもありません。そう考えると、商品在庫を用意して、商品ページを作成して、お客様に商品を送って、決済の処理をして、電話の問い合わせにも対応しなくてはいけないネットショップよりも、さらに参入障壁が低いと言えるでしょう。
となると、「需要>供給」から「需要=供給」そして「需要<供給」のフェイズに入っていくのが、非常に早い市場の可能性が高いです。初期参入でガッツリ市場を掴んだユーチューバーはとてもラッキーであり、後から参入すればするほど、市場としては不利な状況になっていきます。とはいえ、ネットショップの市場より、ユーチューバーの市場の方が後発でも勝てる可能性がある、と思う理由が1点。
それはユーチューバーの動画は、基本的に自分を活かしたオリジナル動画だからです。Eコマース市場の場合、「商品をつくることができない」会社は勝つことが不可能なフェイズに入ってきました。ネットショップとしての付加価値が付けられず、適正な利益を確保することができないからです。ユーチューバーの場合は、オリジナル動画(パクリもあると思うが)ですから、「本当に面白ければ」ユーザーを引き込むことができます。ただし、「需要<供給」のフェイズで「ユーザーに見つけてもらう」ことは大変になりますが。
あと、ユーチューバーの評価って、詰まるところ再生回数なんですよね。動画としての品質が非常に高かったとしても、広告の値段を大きく上げられるわけではありません。そう考えると、ユーチューバー発の動画コンテンツプロデューサーが出てくると面白いんですけどね。完全にコンテンツ課金にして。
おわり。