著者:石田 麻琴

ペルソナを設定すると、掘り下げるポイントが少しずつ見えてくる【no.0873】

 ネットショップを立ち上げる、もしくは展開していくにあたって、「どこにお客様を絞るか?」が大切なポイントになります。いわゆる「ペルソナの設定」というところです。

 まずは特定の「ひとりの個人」にお客様を絞ってから、「そのお客様にどんな商品・どんな企画・どんなサービスを提案すると興味を持ってくれるか」を検討していくと、ネットショップの販売スケジュールが具体的に見えてきます。

 お客様に提供する商品、販促企画、サービスは一見すると、どれも「やらないよりもやった方が良さそうな施策」ばかりです。しかし、リソースは有限です。すべてを実践することは難しいですし、すべてを掘り下げていくのはもっと難しいことです。

 お客様を絞ることで、掘り下げるポイントがより明確になるといえます。今回は「顧客像(ペルソナ)の設定」について考えていきます。

 まずはペルソナの設定として検討するポイントを列挙していきます。

 性別(男・女)。年齢(10代、20代ではなく36歳というように決める)。年代(世代感というイメージ)。趣味(スポーツ、旅行、食、ファッション、音楽など)。仕事(アパレル系、IT系などでも良いし、ソフトバンクなど社名でも良い)。職種(営業、制作、マーケティング、人事、総務など)、志向性(家庭を大事にしている。意識高い系など)。年収(月収30万円で年収360万円など具体的に)。家族構成(シングルかカップルか、既婚か子どもいるかなど)。平日の過ごし方(仕事は何時に終わる?その後飲みに行く?)。休日の過ごし方(何時に起きる?何時にご飯を食べる)。住んでいる街(吉祥寺、下北沢など具体的に)。生まれた街(仙台市、練馬など具体的に)。

 ザザザっと書いてみましたが、このあたりでしょうか。皆さんのネットショップに上記の項目を当てはめてみると、はたしてどうでしょうか。顧客像が見え隠れしてくるでしょうか。

 比較的取り組みやすいのは、ゼロからひとつひとつの項目を考えるのではなく、ある特定の「ザ・お客様」をイメージして、上記の項目に当てはめていく方法です。ゼロから項目を埋めるのは手間もかかりますし、何より項目同士がバッティングして「ありえないひとりの人間」を生み出してしまう可能性もあります。

 もしも、自社のサービスとして私をペルソナとする場合、上記の項目はこうなります。

 性別(男)。年齢(35歳)。年代(松坂世代。デジタル世代のちょい前)。趣味(散歩、スポーツ観戦、ドライブ、温泉)。仕事(コンサルタント)。職種(経営者)、志向性(負けず嫌い)。年収(年収360万円ここは例)。家族構成(既婚か子どもひとり10カ月)。平日の過ごし方(知人、友人と飲みに行くことが多い)。休日の過ごし方(7時までには起きる。半分は仕事、半分は家族と過ごす)。住んでいる街(戸田公園)。生まれた街(仙台市)・・という感じですね。プライベートに関わる部分は隠し気味で書かせてもらいました。

 この石田さんという特定の個人をペルソナに設定したとして、はたして何を提案すれば喜んでもらえそうか、ということを考えていきます。できれば、石田さんに対する提案の年間スケジュールを立ててみるのが良いでしょう。

 ネットショップで毎週1回、新しい商品を石田さんに提案するとすれば、年間に50回新商品をみてもらうことになります。月に1回販促企画をおこなうならば、年間12回分を考えることが必要です。知恵を絞るキツイ仕事にはなりますが、「石田さんに楽しんでもらうには?」だけを50回徹底して考えることで、顧客像(ペルソナ)への意識が確実に根付いていきます。

 おわり。