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プレゼンテーション力とネットショップで売る力は変わらない【no.0041】

■自分が良いモノを「伝える」のは対面もネットも一緒‥!

 前回のブログで、昨年船橋情報ビジネス専門学校おこなっていた「ネットショップを使った人財育成授業」についてお話させていただきました。その最後で少し触れた、「プレゼンテーション力」の強化について、もう少し詳しく書いてみたいと思います。

 友達の前でプレゼンテーションをすることと、ネットショップで商品を提案することは本質的には何も変わらない、というのが私の考え方です。友達の前でのプレゼンテーションでは、相手が友達だけに誰でも面白がって聞いてくれるし、聞き手の背景もわかっているから、共感できるポイントも多く響きやすい、というのはあります。逆に、ネットショップで来店される人というのは、話し手(つまり売り手)について何も知らない人だし、プレゼンテーションも最後まで聞いてくれるわけではなくて、少しだけ聞いて響かなかったらその場から離れてしまう。ひと目ページを見て、響かなかったら他の商品や他のお店に興味がいってしまう。

 友達の前でプレゼンテーションをすることと、ネットショップでプレゼンテーションをすることの難易度は全然違うんだけれども、自分が良いと思うものを「伝える」という点では対面でもネットでも、相手が友達でも赤の他人でも本質的には一緒だと思います。そして、目の前にいる友達に「伝える」ことができなければ、インターネット上を常に動いて情報を探している人に「伝える」ことはできないだろう、というわけです。だから、このプレゼンテーションの授業は価値があると思っています。

■量が質を育てる。でも質を育てるため本当に必要なのは‥!?

 授業の中では時間の都合上やりきれなかった部分がありましたが、プレゼンテーションの上達のために必要なのは量です。とにかく量が大切。その次に、質、と言いたいのですが、本人が「工夫」に気づかなければ質の向上はありません。では、どう質を上げていくか、それに気づくための根拠になるものは、と考えると、フィードバックじゃないかと思います。自分が「うまく話せた」とか「伝えることができた」と思うのは、あくまで主観です。主観的な感覚からは質は生まれようがありません。だって、自分で勝手に思っていることだから。

 量を質に変えるために必要なのは、客観的な評価です。評価といっても、良いか悪いかみたいなことではなくて、「伝わった」かです。「伝わらなかった」は評価には入れません。「伝わった」人数がどれくらいいるかが重要です。極端に言えば、クラスに40人の生徒がいて、その中の1人にでも伝わればOKです。自分は恋愛ゲームが好きだ、ということで恋愛ゲームについて熱く語ったとして、それまで恋愛ゲームに興味がなかった40人のうち、1人でも恋愛ゲームに強い興味を持ってくれ、その日に恋愛ゲームを購入してくれたら、大成功です。そもそもクラスメイトは全員違う人間なんですから、全員に伝わり、行動を起こさせるのは無理です。たった1人の行動に結びつけば十分。この延長線上にネットショップでの商品紹介があるのだぞ、ということを教えました。

 とにかく量、そして客観的なフィードバック、そして質を改める。同じテーマでもう一度プレゼンテーションをして、さらに掘り下げる。ひたすらこれを繰り返すだけで、プレゼンテーションが上達するのはもちろんのこと、客観的な評価から自らを改めるマーケティング思考、検証力が高まります。たったこれだけです。必要なのはやること、続けることです。

■アノ「石田と中田英寿」はこんな話だった‥!

 好きなことのテーマは何でも構いません。ネットショップの商材にならないものもあると思います。それでも構いません。とにかく、自分が好きなものとの思い出を語ってもらいます。学生ばかりやってもらうのは不公平なので、実は私もやりました。「石田と中田英寿」という話です。

 中学3年生のとき、隣の席に座っていたサッカー部の大岩から、「石田って中田に似てるよね?」と言われた。山梨の韮崎高校を卒業し、ベルマーレ平塚に入団した当時の中田英寿。一般的な知名度はまだまだ低く、「あーそういう人がいるんだぁ」程度に思っていたが、自分が似てるとなるとなんだか気になった。その頃はやっていたポケベル。会ったこともないけれど、いつも連絡をとる“ベル友”がいた。「石田君は誰に似てるって言われるの?」「サッカー選手の中田って人に似てるって言われたよ」「ふーん。知らない。今度調べておくね」。今となってはその子も中田英寿のことはよく知ってるだろうな。アトランタオリンピック、そしてフランスワールドカップ予選で中田は一気に有名になった。国民的スターだ。自分が似てるといわれた中田英寿にいつからか僕はファンになった。イタリアへの移籍と活躍、そして苦悩。いつだって中田を応援していた。いつだって中田を気にしていた。そして、ドイツワールドカップ敗退直後の引退。ピッチの真ん中で号泣する中田英寿を見て、自分の中でも何かが終わった気がした。そう、僕にとって中田は石田だったのだ。

 みたいな話をしたんだけど、これが直接ネットショップに結びつくかというとそうではない。ただ、プレゼンテーションとして大ウケだった。こういうウケ狙いの話でもいいし、思い出話でもいいし、みんなが引くような思い切った趣味の話でも良い。学生やオブザーバーの先生方が話してくれたのは、バンドの話やラノベの話、ラーメンの話、好きな景色の話など様々だった。とにかく、好きなものをみんなの前で自信をもって話すこと、みんなの反応を素直に見ること、そしてプレゼンの質に活かすこと。成長のためにやることはいたってシンプルで、あとは愚直に続けるだけですね。

 

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