ブログを継続するための、「ネタ」に対する考え方。(前回はこちら)
まずここまで紹介した「ネタ」に対する考え方をおさらいします。ひとつ目、「誰でも知っていることを書いてはいけない」という幻想を打破すること。ふたつ目、「いままで書いたものよりも、もっといいものを書かなきゃいけない」という気持ちを打破すること。みっつ目、「主観で好きなように書く」こと。そして、究極のよっつ目、「同じことを書いてはいけない」という暗黙を打破すること。
前回のブログでは、この「同じことを書いてはいけない」の打破についてのポイントを説明しました。同じテーマで文章を書いても、必ず違う文章になること。同じテーマでブログを書いても、両方のブログを読む人はそれほどいないこと。そして、同じテーマのブログを「同じ」と感じるのは「書き手」である自分自身であって、「読み手」が「同じ」と感じるかは別であること。
そして今回、「ユーザーは自分のケースを探している」ということを書いて、このシリーズを締めたいと思います。
そう、ユーザーは「一般論」ではなく、「自分のケース」を探しています。例えば、半年後を目標に留学を検討しているユーザーがいたとします。そのために、「留学先はどの大学のどの学科にしようか?」「留学先の大学に通った人はその後どんなキャリアを歩んでいるか?」「留学先の地域のコミュニティーはどうなっているのか?」などの情報をインターネットで事前に収集するでしょう。
最初は「一般論」的なメディアから、情報収集を進めていきますが、「ボストン大学に留学したい!」と思った瞬間に、ユーザーの得たい情報には「ボストン大学の」という条件がすべて付くはずです。海外留学のウェブサイトにある、「各大学には留学生向けのサークルやコミュニティー活動が様々な形で行われています」というような「一般論」はすでにこのユーザーには必要なく、「じゃあ、ボストン大学の場合はどうなのか?」という「自分のケース」を調べたいはずです。
このユーザーが「大学を一度卒業していて、年齢は24歳。日本の大学で専攻していたのは経済学。趣味は音楽で、ピアノとギターの演奏ができ、ジャズのサークルに入れればと思っている。軽い喘息を患っていて、たまに体調を崩すときがある」というようなパーソナリティを持っているとします。誰でもこのくらいのパーソナリティを持っているはずです。その「自分のケース」に合わせて、ユーザーは情報を探しているのです。
海外留学のプロフェッショナルにとっては、「そんなもの、ほとんど全部一緒だよ」ということかもしれません。しかし、ユーザーは「自分のケース」を探していますから、「ボストン大学ならこんな感じ」「UCLAならこんな感じ」「スタンフォード大学ならこんな感じ」というように、結果として内容がそれほど変わらなかったとしても条件に対して個別に説明していった方が親切なのです。
これが、「ユーザーは自分のケースを探している」ということであり、実はブログは、むしろ「同じことを書いた方がいい」という考え方への転換でもあります。
弊社のこのECMJブログでも、「一般論」としてのマーケティング理論だけではなく、「家電のEコマースだったらこんな感じ」「ITシステム企業のWEBサイトだったらこんな感じ」「ラーメン屋の実店舗だったらこんな感じ」というように、個別の条件でブログを増やしていくことができるわけです。(まだまだ書ききれていませんが)。
趣味ではなく、仕事に繋げるためにブログを書くならば、継続こそが最も重要です。ぜひここまで紹介した4つのポイントを深く理解して、自社の力にしてもらえればと思います。そう、ブログの「ネタ」なんて「いくらでもある」んです。
おわり。