「LTV」という言葉を聞いたことがある方、いると思います。
「当然じゃないですか。そんなの全然昔から知ってるよ。気にしてるよ」と言う方もいれば、「あー、聞いたことあるけど詳しくはわからないや」と言う方もいれば、「なんですかそれは?始めて聞いたんですけど・・」と言う方もいると思います。もし初耳で知らなくても、何ら恥ずかしがることはない言葉です。
今回は、この「LTV」について学んでいきましょう。
まず、「LTV」とは何か。それがわからないと困りますよね。「LTV」とは「Life Time Value」の略らしいです。日本語に直すと「生涯顧客価値」。日本語の方が有名かもしれません。お客様が一生の間に、サービスに対してどれくらい利益に貢献したか。それを測るための数値です。サービスに貢献した価値なので、売上や利益だけではなく、お客様を紹介してくれた数とかブログに書きこんだ数等の価値も本来加えるはずなのですが、基本的には売上金額を軸にして測る、ことになっています。この時点で、「LTV」というものが少し曖昧であることがわかると思います。
「LTV」という言葉が多く使われるのは、広告の世界です。
かつては、必要広告費を算出するために、「CPA」という指標が使われていました。簡単にいえば、1件の注文がいくらで獲得できるの、という話です。しかし、インターネットのプレーヤーが増えたことにより、広告の奪い合いが起き、この「CPA」という指標が高騰していきます。そうすると、販売価格10,000円、粗利5,000円の化粧品を1つ売るために、7,000円の広告をかけなければいけない、という不思議な状態が生まれます。
1つ買ってもらって5,000円なのに、7,000円払ったら儲からないでしょ、という話なのですが、「いやいや、違いまっせ」というのが、「LTV」が出てくる流れです。
1つ目の化粧品を買ってもらった時点では2,000円の損かもしれないけれども、そのお客様が同じ化粧品をリピートしてくれたら、-2,000円+5,000円=+3,000円になるでしょう。もう一回、同じ化粧品を買ってくれれば、+8,000円になるでしょう。広告の価値は、その注文について考えるのではなくて、1人のお客様を獲得できたことについて考えるべきでしょう、と。これが「LTV」という考え方です。こう説明をすると、「顧客生涯価値」という日本語の言葉がよりわかりやすくなるのではないでしょうか。
まあ、詰まるところ、広告屋さんの理屈としては、「LTV=顧客生涯価値」を考えたならば、1人のお客様に注文いただくのに、もっとたくさんの広告費をかけられますよね?みたいな話だったりするのですが・・。
そう考えると、ここで困ったことが起こります。「顧客生涯価値」とはいうものの、顧客の生涯がいつ終わったかがイマイチわからない、ということです。あくまで、1人のお客様が一生のうちにどれくらいネットショップに貢献してくれたか、という指標なのですから、顧客としての終点が見えないと「LTV」を算出することは不可能なはずです。(まあ、あくまで原則に従えば)。それに、そもそも日本のネットショップの歴史は15年なわけですから、ほとんどの顧客が「顧客を終えている」とは考えづらいのです。「このお客様はもう買わないだろうな」と思っても、いきなり商品を購入してくれたりします。
という、そんな曖昧な状態の中で、「LTV=顧客生涯価値」をどのようにして算出すれば良いのか。これを考えなくてはいけません。(今後のインターネット広告戦略を活性化させるためにも!)
次回のブログでは、「LTV=顧客生涯価値」を算出するためのポイントを紹介していきたいと思います。インターネット界隈のキーワードって、本当によくわからないものが多いですね。
つづきはこちら。