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ネットショップにおける商品数と売上の関係性とは?【no.0448】

ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

ネットショップの取扱商品数を増やし続けるのはリスクが高い

 

「ひとつは、500,000商品の在庫をすべて自社の倉庫に持っているパターンですね。ご想像のとおり、500,000商品の在庫を1商品あたり1点ずつ持ったとしても500,000点の在庫を持つことになります」

「在庫金額の方が心配ですね‥」。麻間(あさま)さんの話が終わるのを待っていたように、鬼切社長は言いました。

「その通りですね。1商品あたりの商品原価が仮に100円だったとしても、500,000商品もあれば5,000万円の在庫を常に抱えることになります」

「ひぇぇ~、ビックリですね」。鬼切社長が、目を真ん丸にしました。「それだけ在庫を持った時点で、おにぎり水産は潰れてしまいますわ」。

「そうなんです。500,000商品を取り扱うネットショップの場合、月商が4億円5億円規模であったりすることが多いですが、取扱商品数を増やし続けるのは、それはそれでリスクが高いことなんです。鬼切社長、80対20の法則はご存じですよね?

「以前、猪井氏(いいし)先生の推薦図書として読んだことがありますよ。行動の20%が成果の80%を生み出している、とかそういう理論ですよね」

インターネットビジネスは85対15、90対10になる可能性がある

「鬼切社長、そうですそうです。ネットショップの場合も、同じような理論が成り立ちます。月商5億円で500,000商品を取り扱っているネットショップがあったとしたら、月商売上の80%である月商4億円は、500,000商品の20%、つまり上位100,000商品で成り立っている、というようなイメージです。もっとも、それはネットショップの形態であったり、取り扱っている商材だったり、日々の施策の方針だったり、様々な要素によって変わってきます。そしてインターネットビジネスの場合、特徴的なのは、80対20の法則よりも、もっと極端な結果が出ることですね」

「というと、どういうことでしょうか?」。80対20の法則の本を読んだ鬼切社長は、麻間さんが話している内容を深く理解することができました。

「あくまで極端な例ですが、インターネットビジネスでは85対15、90対10になる可能性があるということですね。年商5億円の90%にあたる4.5億円の売上が、上位50,000商品で成り立っている、みたいな感じでしょうか。上位10,000商品の売上とか、上位5,000の売上とか、もっと極端な事例もありそうですが」

「でもそうなると、450,000商品は全く動かないわけですよね。商品原価が1点100円としても、4,500万円の在庫が倉庫で寝ていることになってしまうと思うんですが、それって大丈夫なんですかね?」

「そう思いますよね。確かにその通りです。ただ、500,000商品を取り扱っているネットショップは、『どの商品がどの時期にどれくらい売れるのか』そのサイクルをデータで常に確認していますから、取扱商品の出し入れや、在庫の持ち方には細心の注意を払っていますよ。そこを気にせず在庫を持ってしまったら、鬼切社長がおっしゃるとおり、すぐに倒産してしまいます」

「すごくリスクが高い戦略に感じるのですが、メリットはあるのでしょうか?」。そういうと、鬼切社長は腕組みをしました。

今日の入荷し、今日注文が入り、今日の夕方に出荷する

「メリットは配送スピードの早さですよね。在庫があれば、お客様に注文をいただいてからすぐに商品を発送することができますから。すぐに発送をしてもらえることがネットショップのページ上でわかれば、お客様にそのネットショップでの購入を選んでもらえる可能性が高くなります。配送スピードの早さは、Eコマースビジネスのポイントのひとつですしね。逆に、たくさんの商品を取り扱っていて、各々在庫を1点以上持っているネットショップなのに、即日配送の仕組みを整えてないとしたら、少しもったいないかなと思いますね。当然ですが、キャッシュフローも悪くなりますし」

「確かに、すぐに商品を送ってすぐに売上にした方がキャッシュフロー上は良いですからね。おにぎり水産も、工場の設備投資や、笹かまぼこの原材料の仕入れなどがありますから、キャッシュフローは課題のひとつです」

「先ほど、データを活用して在庫をコントロールしているという話をしましたが、本当にデータを活用できている会社はキャッシュフローまでも計算に入れていると思いますよ。今日の午前に仕入先から倉庫に入荷があって、今日の午後に注文が入り、今日の夕方に出荷することができれば、それがキャッシュフロー上、もっとも良いわけですからね」

鬼切社長は唖然としていました。ネットショップマスターへの道は終わりが見えません。

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