メールマガジンの成果検証の方法について。
以前より効果が下がっているとはいえ、メールマガジンはネットショップが安価で能動的にお客様にアプローチすることができる唯一の手段です。DM(ダイレクトメール)やカタログなども能動的なアプローチ手段ですが、制作費・送料など費用がそれなりにかかりますからね。中小零細企業のネットショップには、メールマガジンは未だに欠かせない手段ということになります。
自社のネットショップに新アイテムをアップしたとしても、販促企画・キャンペーンを始めたとしても、商品ページの画像を撮り直したとしても、お客様がそれをネットショップに見に来てくれなければ仕方がないのです。その効果は商材によっても様々かと思いますが、メールアドレスの保有数がネットショップが持つ「資産」のひとつであることは間違いありません。できれば今以上に、有効活用したいところだと思います。
そこで、押さえておきたいのがメールマガジンの成果検証の方法です。
最初に、成果検証の元になる数値項目を挙げていきます。まずは、「配信数」。メールマガジンを何通送ったか。メールマガジンを配信したメールアドレスの数ですね。次に、「開封数」。配信したメールマガジンが何通開封されたか。配信したメールマガジンの「タイトル(題目)」がクリックされた数ということになります。そして、「リンクのクリック数」。開封されたメールマガジンの内容部分にあるURLがどれくらいクリックされたのかという数です。メールマガジンのリンク経由での「ページ閲覧数」を取得しても同様の成果検証ができます。そして最後に、「受注数」。メールマガジンのリンク経由でネットショップの商品が購入された数です。
配信数、開封数、リンクのクリック数(ページ閲覧数)、受注数のデータを取得し、各項目の引き上げ率を割り算で計算していきます。「開封数÷配信数=開封率」、「リンクのクリック数(ページ閲覧数)÷開封数=リンクのクリック率」、「受注数÷リンクのクリック数(ページ閲覧数)=受注率」というようにです。
メールマガジンを配信するたび、この7項目のデータを取得し、成果を検証して改善のサイクルを回していくのですが、「リンクのクリック数」には注意したいところです。メールマガジンを開封したひとりのユーザーがひとつのリンクだけをクリックするとは限りません。ユニークユーザー(UU)とページビュー(PV)の違いと同様、ひとりのユーザーが複数のメールマガジン内にある複数のリンクをクリックすることは十分にありえます。
ですから、「配信数:1,000」「開封数:100」「開封率:10%」「リンクのクリック数(ページ閲覧数):200」「リンクのクリック数(ページ閲覧数)率:200%」「受注数:5」「受注率:2.5%」という妙な数字の羅列になってしまうことが十分にありえます。ここからリンクのクリック数(ページ閲覧数)の項目を抜き、受注率を「受注数÷開封数」であると定義すれば、「配信数:1,000」「開封数:100」「開封率:10%」「受注数:5」「受注率:5%」というように、スッキリとした成果検証になるのですが、リンクのクリック数(ページ閲覧数)の項目を抜いてしまうことで、成果検証がひとつ曖昧になってしまいます。
つまり、メールマガジンを送った人のうちメールマガジンを開封した人の数(開封数・開封率)の検証は良いのですが、次の検証がメールマガジンを開封した人のうち商品を購入した人の数(受注数・受注率)というように、一歩飛んでしまうんですね。やはり、メールマガジンを開封した人のうちネットショップのページを見た人の数、ページを見た人のうち商品を購入した人の数、というステップで成果の検証をしたいところです。
次回は具体的な方法をご紹介していきます。
つづきはこちら。