メールマガジンの成果検証の方法について。(前回はこちら)
前回のブログでは、メールマガジンの成果検証として「配信数」「開封数」「リンクのクリック数(ページ閲覧数)」「受注数」と各引き上げ率を確認することの他に、そもそもメールマガジンを配信している「誰に」のセグメント情報を残しておくのが大切だという話をしました。
また、お客様の顧客データ、注文データ(受注データ)、行動履歴データなどを自社で収集していれば、様々な切り口・セグメンテーションでメールマガジンのアプローチができるということをお伝えしました。セグメントの条件を加えていくことによって、メールマガジンの配信対象を「条件に合うひとり」にまで絞り込むこともできます。いわゆる「1to1(ワントゥワン)」というものです。
しかし、セグメント条件を増やせば増やすほど、メールマガジンの成果の検証はしづらくなります。仮に、お客様の顧客データから「20代の男性」「30代の男性」「40代の男性」「50代以上の男性」というセグメント条件を作成したとします。そこに、注文データのセグメントとして「過去にAというサービスを利用した方」というセグメントを加えたとします。さらに、行動履歴データの条件として「今月に1度以上ログインをした方」というものを加えたとします。
この条件でメールマガジンを配信した場合、一見すると「20代の男性」「30代の男性」「40代の男性」「50代以上の男性」のどの条件においてどんな成果が出ているか、それを検証できるように思えます。しかし、「過去にBというサービスを利用した人」「Cというサービスを利用した人」「今月中に2度以上ログインをした人」「前月は10度以上ログインした人」というように注文データ、行動履歴データに関して、実は様々な切り口が存在するわけです。
この場合、成果を検証できるのは、あくまでこの条件だけということになります。顧客データ、注文データ(受注データ)、行動履歴データの3つの切り口を同時に使ってしまうと、可能性が無限に広がってしまうため、「どれがいいのかわからない状態」になってしまうのです。切り口を3つ使った状態では、同じメールマガジンの「横軸」の比較検討はできても、過去と未来のメールマガジンとの「縦軸」との比較検討ができません。
メールマガジンの成果検証に上手くなるためには、数値項目の検証をおこなうときと同様、物事を「シンプル」に考えることが大切です。そのために、まずは。顧客データ、注文データ(受注データ)、行動履歴データのいずれかひとつの切り口で、「○○とそれ以外」というシンプルなセグメントからメールマガジンの配信を始めてみてください。
例えば、顧客データならば「男性と女性」。これできれいに二分されます。「30歳未満と以上」これもきれいな二分です。注文データならば、「Aを利用した人と、利用していない人」で二分します。「購入者と未購入者」でも、もちろん二分です。行動履歴データならば、「今月中に1度以上ログインした人と、していない人」、「1分以上ウェブサイトに滞在した人とそれ以外」これで二分になります。まずは、ひとつの切り口、ふたつだけのセグメントでメールマガジンを配信し、その成果の違いを体感していってください。簡単すぎるかもしれませんが、あくまで成果検証に慣れるための練習です。「シンプル」を経験してから少しずつ「細かいセグメント」の成果検証に取り組んでいってください。
難しいことにチャレンジして、いつまで経っても「ノウハウ」が蓄積しないより、シンプルなことから着実に「ノウハウ」を重ねていく方が有益です。「バカにしてるのか!」と思うくらい、シンプルを繰り返していってください。それが着実な実力になります。
おわり。