ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら)
「はっきりいって、自信がありません」
ここで七海さんと友花里さんは自信をもっていいました。
「定性的と定量的」と「主観的と客観的」の関係
麻間(あさま)さんは一瞬、唖然とした表情をしました。そして、少しだけ「クスクス」と笑って、「じゃあ、しっかりお伝えしますね」とふたりにいいました。
「七海さんと友花里さんにお伝えしたいのは、『定性的と定量的』の関係だけではなく、『主観的と客観的』の関係です。これを辞典で調べると、『主観的』とは『自分ひとりのものの見方・感じ方によっているさま』、『客観的』とは『特定の立場にとらわれず、物事を見たり考えたりするさま』とあります。これだけだと理解が難しいと思うので、ネットショップと絡めて話しますね」
すると七海さんと友花里さんが「そうして欲しい」という感じで頷きました。
「『主観的評価』と『客観的評価』という言葉を考えてみてください。まず『主観的評価』は『自分が思っている良い、悪いの評価』のことですね。対して、『客観的評価』というのは『自分以外の外の人間が思っている良い、悪いの評価』です。仮にネットショップを運営していく場合、七海さんや友花里さんという『笹かまオニギリ』を運営している人間からの評価は『主観的評価』です。なので『笹かまオニギリ』のネットショップを訪れたり、商品を買ってくれた方からの評価は『客観的評価』ということになります」
「これが良さそう、あれが良さそう」と話し合うのは?
「そうそう。そこまではわかるんですけど、それと『定性的と定量的』というのがどう絡むのかがイマイチわかりません」。すぐに七海さんが麻間さんにいいました。
「七海さん、そこなんです。たとえば今回のようにチラシやポスターをつくるときです。おそらく七海さんと友花里さんで『どうやったら良さそうだ』と打ち合わせを重ねたと思います。それで『これが良さそう、あれが良さそう』と話し合ってチラシとポスターの内容を決めたのだと思いますが、これって『主観的と客観的』でいえばどちらだと思いますか?」
「『主観的』、ですよね」。友花里さんがすぐに答えました。
「友花里さん、そうです。では、『これが良さそう、あれが良さそう』という評価は『定性的と定量的』どちらだと思いますか?」
「『定性的』だと思います」。今度も友花里さんが答えました。
「正解です。そうなんです。実は『主観的』はイコール『定性的』なんです。つまり『主観的』な考え方の評価は『良さそう。すごく良さそう。めちゃくちゃ良さそう』など、数字で測れないものばかりです。たぶんチラシとポスターのアイデアを話し合っているとき、『こっちのアイデアの方が、そっちよりも50良さそう』みたいな話ってできないじゃないですか」
「そんなことする人がいたらキモいですね・・」。七海さんがいいました。
「ネットショップのデータ」は「客観的=定量的」なもの
「そうなんです。だからやっぱり、自分たちの中だけだと『主観的=定性的』で話が進んでいきがちなんですね。ただ、『定量的』かつ『客観的』なものがあります。これがインターネットのマーケティングを展開していく上で非常に役立つのですが、これってなんのことだかわかりますか?」
「私、わかったかも!」。今度は七海さんが自信を持っていいました。「お、七海さん、早いですね。じゃあ、私と友花里さんに教えてください」。すぐさま麻間さんがいいました。
「たぶん、ですけども、『ネットショップのデータ』ってことですよね。たぶん今回の場合でいえば、ネットショップの『笹かまオニギリ』のアクセス人数のことじゃないかなって思います。もしかして違いました?」
「素晴らしい!!」。突然、麻間さんが大きな声をあげたので、七海さんと友花里さんはびっくりしました。なんと友花里さんは手に持っていたペットボトルを傾けてしまい、テーブルが少し濡れてしまいました。麻間さんは構わず続けます。
「そうです。『ネットショップのデータ』は『客観的=定量的』なものなのです」
つづきはこちら。
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