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ネットショップで「機会損失」を起こさないための判断材料【no.0843】

 「機会損失」という言葉がありますが、困ってしまうのは「どれくらい機会損失」をしたのかがわからないことではないでしょうか。

ネットショップのシステムには「この商品について問い合わせる」というようなボタンがあったりします。「在庫が切れているときにお問い合わせくださいね」という意味も含まれるのでしょうが、「在庫が入ったら押さえておいてください」と連絡してくれるお客様は少ないのではないでしょうか。(自分の体験も振り返ってみましょう)

リアルの実店舗の場合はさらに簡単ではありません。お客様が店内で何を探していたのかを追うことができませんし、たとえお客様が声をかけてくれたとしても、データとして残しておくことにひと手間がかかってしまいます。

売れるものを最大限売るために、ネットショップでどんな指標を判断の軸とするか、というテーマです。

1.ショップ外検索、ショップ内検索のデータをみる

ネットショップの来店動機となった「ショップ外検索」、ネットショップの中で商品を探した「ショップ内検索」をみることで、商品(もしくは同系商品)のニーズのボリュームを探していきます。継続的・定期的にデータを取得しておき、過去の商品の「検索数:販売数」の比率と比較をすることで、「機会損失」のない適正な在庫数を予測していきます。

2.在庫追加後からの販売スピードをみる

何度追加しても売り切れになってしまう商品の場合、在庫を追加してからどのくらいのペースでお客様が商品を購入しているかをデータ分析することで「機会損失」の可能性がみえてきます。瞬発的に注文が入るなら「お客様が待っていた」ということでしょうし、継続的に注文が入るなら「一時的な人気ではない」ということになります。多くの場合は「瞬発→継続」に市場は流れていきます。「瞬発」から「継続」に流れない、「一時的なブーム」パターンもあるので注意が必要です。

3.WEBページのユニークユーザ数(UU数)をみる、リピート顧客データをみる

欠品している商品のページをどれくらいのお客様がみているか、そのデータを確認します。在庫切れをおこしているにも関わらずページに入ってくるということは、そこに理由があるはずです。ページ毎のリピートをみれば注文数(=必要在庫数)の想定ができます。当然ですが、「PV数=必要在庫数」ではないので注意が必要です。

4.市場をみる

ある程度のニーズのボリュームがある商品であれば、ニーズの不足が市場のどこかに噴出されます。ブログやソーシャルメディアを閲覧して、欠品の商品について情報を出している人がどれくらいいるかを調べます。ニーズの確認になるはずです。ただし、自社のデータと連携しているデータではないので、あくまで確認・目安として判断材料に加えるのが良いでしょう。

以上、「機会損失」をおさえるための4つの判断軸を紹介しました。

これらいずれもポイントになるのは「過去の商品の売れ方と比較をする」ことです。過去に売れた商品は品切れをおこした後に「検索」「スピード」「WEBページ」「市場」でこんなことが起っていた、という情報を比較をすることで「では今回はどう判断すればいいか」が見えてきます。

いまこれらのデータをきちんと取得しておくことは、いま「機会損失」防止の判断をするためだけではなく、明日明後日という未来に「機会損失」防止の判断をするための材料にもなるのです。データはあくまでも積み重ねです。長く見続けているほど、より判断力が高くなっていきます。

おわり。

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