ネットショプやWEBサービスの用語で「転換率(コンバージョン)」という言葉があります。インターネットのビジネスに関わっていれば、必ず一度は、そして序盤で聞く言葉だと思います。
コイツがなかなかのやっかいものです。
売上やアクセス人数と同じように、「いやー、うちの転換率がなかなか改善しなくてさ」みたいな話題にさらっとのぼる言葉だと思うのですが、この転換率を分析してみると、深く考えれば考えるほど難儀なものだということがわかってきます。
まず、この転換率(コンバージョン)というものは、「割り算」によって算出されるものだということです。
計算方法としては、「受注件数÷アクセス人数」。ネットショップやWEBサービスに100人のお客様(ユーザー)がアクセスしたときに、その何パーセントのお客様(ユーザー)がサービスを利用するのか、という確率のパーセンテージです。割り算で算出されるものですから、当然、分子が動いても分母が動いても数字は動きます。
受注件数が同じでアクセス人数が増えれば、転換率は下がります。アクセス人数が同じで受注件数が増えれば転換率が上がります。受注件数が同じでアクセス人数が減ると、転換率は上がります。アクセス人数が同じで受注件数が減ると、転換率は下がります。受注件数とアクセス人数が同時に増えると、転換率は上がったり下がったりします。受注件数とアクセス人数が同時に減ると、転換率は上がったり下がったりします。
こんなように考えていくと、「転換率が上がったから良い」「転換率が下がったから悪い」とは一概にいえないことがわかると思います。アクセス人数や受注件数のように、「増える方が良い」(一部例外アリ)というものではないのです。「転換率が改善しました!」といっても、単にアクセス人数が下がっているだけだったら、正直良いのか悪いのか、よくわかりません。
なので、ひと言で「転換率のカイゼン」といっても、「転換率(コンバージョン)」自体が割り算で計算されるものなので、何を持って「カイゼン」といえばいいのか、微妙なラインところなんですね。そんなゴチャゴチャした中で、「転換率のカイゼン」を検証する要素を考えてみたので、共有していきたいと思います。
まずひとつ目は、WEBサイトのカイゼン。これが一般的にいわれることが多い「こうやったらコンバージョン率が改善しました!」の事例で出てくるものです。見せ方や仕組みのカイゼンですね。
例えば、商品ページの構成を変えた。いままで商品ページのコンテンツが商品の「物撮り」1発だったのを変えて、商品ページにテキストを加えてストーリー調にした。写真をプロカメラマンにならって、構図や光を意識したものにした。実店舗での販売実績を商品ページに載せるようにした。発売期間を区切ったり、入荷数が少ないことを告知したりして限定感を出した。などなど。
例えば、リピート買いのお客様が多いので過去に購入した商品をワンクリックでカゴに入れられる仕組みをつくった。あと●●円購入いただくと送料無料になりますよ、という情報を自動で出す仕組みをつくった。商品カテゴリを様々な角度から検索できるように整備して、お客様の欲しい商品が見つかるようにした。レコメンデーションの機能を追加した。などなど。
WEBサイトの見せ方・提案の仕方のカイゼンであったり、サービスを利用するための仕組み・システムをカイゼンであったり、これらのカイゼンによって「転換率がカイゼン」する、というケースがあります。
そして、この「転換率のカイゼン」を定量的に評価・検証するときには、同一期間同一条件での転換率(コンバージョン)を比較します。
つづきはこちら。
[…] 転換率(コンバージョン)は意外とやっかい。(前回はこちら) […]
[…] ・ネットショップ、WEBサービスの転換率(コンバージョン)は意外とやっかい。1【no.0716】 […]