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データ活用で野球場のビールの売上を上げる。【no.0258】

 さて、今日は土曜日なので、まとめです。

 今回のまとめは、このマーケティングブログで最初に書いたエントリーですね。「ビールの売り子が野球場で最大の売上をあげるには?」です。

*判断が個々人に任されている仕事の可能性

 元々この話は、弊社の開発パートナーでもある山野辺さんと神宮球場に行ったときに、「システムを使って売上をあげることできるかね?」みたいな話で盛り上がったのがきっかけになっています。野球場にいるビールの売り子さんって、お客様から受け取った売上の千円札を折りたたんで指に挟んでいたり、ポケットに小銭をジャラリと入れていたりするじゃないですか。そもそもあの業界って、どういうお金の管理をしているのかなと。だって、転んで千円札が落ちて風が吹いたら終わりじゃないですか。

 しかも、人が動いて売上をつくる仕事なので、まだまだ工夫ができる。ああゆう、ビールの売り子さんのような「空軍的」な仕事って、必ず結果が出てる人と結果が出てない人で相当なノウハウの違いがあって、それを補うためにもデータ分析が活用できないかと考えたわけですね。

 ちなみに、隊長がいて、隊長が「あっちへ進め~!」っていったら指した方に部隊が進み、隊長が「撃て~!」っていったら部隊の全員で撃つのが「陸軍的」な仕事。判断は隊長に委任してあり、部隊は手足になるという。「空軍的」な仕事っていうのは、基本的な原則や戦略方針を理解した上で、個々人が飛行機に乗って、「あとは頑張ってこ~い!」っていうもの。判断が部隊の個々人に任されているわけですね。ビールの売り子さんの仕事って、まさに後者なわけです。

*実績のある売り子さんが自然にできていること

 だから、成果に差が出やすいんです。たとえば、パン工場でパンにクリームを入れていく作業とかって、仕組化されているので、成果に差が出づらいじゃないですか。ビールの売り子さんも、「通路の前で振り返って『ビールいかがですかー!』って言いながら片手を上げて、15秒間は周りを見回して、お客様が注文するのを待っていてください」みたいな教育はされているんだろうけど、それ以上は個々人の判断に依存しているので、やっぱり成果に差が出てしまうわけです。

 そこで、データ分析の活用という話になります。これは、実際にビールの売り子さんとして成果を出している人が、知らず気づかず自然にできていること、経験から学んだノウハウを数字として「定量的」に示したものに他なりません。試合のデータ、注文のデータ、座席のデータ、売り子さんのデータ。この4つを組み合わせることで、「どんな試合で、どんなお客様に、どんな売り子さんが、どんなサイクルで球場を回れば、売上が最大化する」という仮説を立てることができます。

*システムを使いこなす人財を育てること

 あともう一つ、データ分析とともに重要なことです。データ分析のシステムを整えたとしても、そのシステムを使いこなす人財を育てていないことには、システムを使いきれません。システムを使い倒して、成果を出すことはできません。あくまで、システムから吐きだされるデータは、過去のマーケティングデータの集計になります。いま何が受けるのか、トレンドがどの方向に向かっているのかは、常に新しい実践から見つけていかなければいけません。その検証をフォローするのも、データ分析である、というわけですね。だから、データ分析と人財育成は必ずセット、ということになります。

 ビールの売り子さんの売上を最大化させるためには、カワイイ女の子を揃え続けること(実際にそんな指摘を受けた)。まあ、それも原則っちゃあ原則なのですが、カワイイ女の子を集め続けようとすると、それはそれでコストが上がり続けるので、まずはデータ分析という「無料で使えるリソース」を活用していきましょう、って話ですね。そうなんです。データはタダなんです

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